第3回木バスサロン リネン吸着法について(10月23日) 報告
「リネン吸着法の優位性」について学ぶ
チェック市民会議は、市民が生み出した測定法「リネン(麻布)吸着法」により大気中に放出されるセシウム微粒子を監視していこうと、東御市の木質バイオマス火力発電所が稼働する前の2019年11月から「リネン吸着法」の測定を行っています。
木質バイオマス火力発電所は2020年7月15日から、市民への説明もなく稼働されてしまいました。今年11月から、稼働後の「リネン吸着法」による測定を行うにあたって、改めて「リネン吸着法」について学習を深めることにしました。
ちくりん舎・青木一政氏が行った「子ども脱被ばく裁判学習会」資料と「大崎市汚染廃棄物試験焼却・リネン吸着法結果説明」時の資料の二つを中心にして、「リネン吸着法」の優位性について学びました。
より詳しい説明や図説等は、ちくりん舎のホームページをご覧ください。
URL: http://chikurin.org/
- 飛灰(大気中粉塵)には微小粒子が大量に含まれる。大気汚染防止法にある「ばいじん」には、浮遊粒子状物質(SPM)という粒径P.M10(10㎛)を中心としたばいじと、いわゆるP.M2.5と呼ばれる粒径P.M0.5(0.5㎛)を中心とした微小粒子状物質と呼ばれるばいじんの二種類がある。
- セシウムはばいじん粒子(すす)の表面に凝着する。よって、セシウム量は微小粒子の表面積で考えることが重要。セシウムの大部分は全体の60%に当たる1.0㎛以下の粒子に凝結している。
- バグフィルターの粒径1~0.2㎛の粒子捕捉率は0~90%。つまりバグフィルターでは微小粒子状物質はほとんど捕捉できない。
- 浮遊塵・浮遊ガスを捕捉する機器にエアーダストサンプラーがあるが、0.3㎛以下の微粒子はブラウン運動(微粒子の不規則な運動)により「拡散」するので、その性質を利用すると、エアーダストサンプラーよりもむしろ「リネン吸着法」の方が捕捉率は高い。
- P.M2.5などの微小粒子は肺の深部、肺胞まで到達し沈着するので、気管支部に沈着するよりも人体への影響が大きい。まして、表面にセシウムが凝結している微粒子が滞留し続けるならば、内部被ばくし続けるということになる。(「広島原爆『黒い雨』体験者の肺にウラン残存」2015.6.8 毎日新聞記事)