木質バイオマス発電

信州の 山なみ見わたす 陽だまりの町・東御市、ここに木質火力発電所ができるって?!

リネン吸着法検査を支えるための「リネン基金」にご協力を!

 2020年7月、信州ウッドパワー=清水建設は、建設地羽毛山区の住民の反対も押し切

り、木質バイオマス発電所の稼働を開始しました。

 私たちは講演会や木バスサロン等の学習を通じ、再生可能エネルギーに位置付けられ

環境に良いと思われがちな木質バイオマス火力発電所が、実は2012年には放射性廃棄物

の減容化施設として位置付けられていること、福島の森林がどんどん伐採されて運び出

されていること、清水建設がそれを企業として推進するグループに所属していること、

またここ長野県の東信地方にも放射性プルームの影響を受けている地域が存在し現にキ

ノコや山菜の出荷制限が出ていたり、薪の基準値(40Bq/kg)を超えた木材が出ている

ことなどから、放射性物質を含む木材の燃焼の可能性を想定しました。毎日100トンも

の木材を燃やす発電所の燃料材は、約束通り安全な地域の間伐材由来の自社で生産した

木質チップだけなのか、大気中に放射性微粒子は浮遊しないのか、監視活動を継続的に

行っていく必要があると思います。

  リネン吸着法とは

 

 

 リネン吸着法とは、大気中に浮遊する放射性微粒子(セシウム)をリネン布に吸着さ

せ、リネン布ごとゲルマニウム半導体検出器にかけ、セシウムを測定する方法です。

 既存の検査機器としてはエアーダストサンプラーがありますが、ばい煙中の放射性微

粒子の微小さを考えると、リネン吸着法の方がより効率よくセシウムを捕集できると言

われていますし、高額で騒音のするエアーダストサンプラーは市民測定には不向きで

す。

 日本の「大気汚染防止法」は抜け穴だらけの法律で、2011年の福島原発事故以後も、

放射性物質の検査項目を設けず、浮遊粒子状物質(PM10)と微小粒子状物質PM2.5

と、粒径により二種類の微粒子があり、環境基準も別々にあるにもかかわらず、「大気

汚染防止法」に基づいた検査項目に微小粒子状物質の項目を入れていません。

 また、バグフィルターは粒径0.3μmまでの微粒子しか捕捉できませんが、ばい煙中の

微粒子の個数の9割は0.3μm以下です。

     

      「リネン基金」をもとに、リネン吸着法検査を年2回に!

 

 風向きを考慮し、夏と冬の二回、リネン吸着法検査を継続させたいと考えています。

2回の検査で25万円ほどかかります。また、去年の5月から始めたリネン設置地点の土

壌検査も継続していきます。

 これらの検査活動を継続していくために「リネン基金を設立し、多くの皆さんのご

協力をあおぐことに致しました。ぜひ、皆さんのお力をお貸し下さい。

 「リネン基金」を市民の皆さんに広く呼びかけることによって、検査の財務基盤を整

えるだけでなく、市民が生み出した画期的な「リネン吸着法検査」を市民の皆さんに知

らせていきたいとも思っております。

 1口500円の「リネン基金」に、ぜひご協力下さい。

 

 振込口座 : ゆうちょ銀行

        00520-3-87641

 加入者名 : 木質バイオマス発電チェック市民会議

  *リネン基金  口 と備考欄にご記入下さい。

保安林解除を迅速化? 森林破壊進める再生可能エネルギー

  森林ジャーナリストの田中敦夫氏がブログで、再生可能エネルギーがむしろ森林破壊を進めていると、指摘しました。

 http://news.yahoo.co.jp/byline/tanakaatsuo/20210702-00245992/

 

 菅総理が、今年のサミット前に2030年までに二酸化炭素排出削減46%(2013年度比)をめざすと宣言した。

 すると何が起こるか。排出削減を進めないといけないが、日本の場合はエネルギー(発電)の割合が高い。そこで石炭石油などの化石エネルギーから再生可能エネルギーへの転換を増やすことが至上課題となる。

 

 さっそく各省庁が動き出したようだ。とくにターゲットになるのが、森林だ。なぜならバイオマス発電に太陽光発電風力発電、それに地熱発電など、いずれも立地や燃料調達を考えると森林地帯が被さってくるからだ。

再生可能エネルギー推進に邪魔な保安林制度

 そこで引っかかるのが、保安林である。これは、水源の涵養、土砂の崩壊その他の災害の防備、生活環境の保全・形成などの公益的目的のため、農林水産大臣および道府県知事によって指定された、立木の伐採や土地の形質の変更などが規制された森林のことだ。

 保安林の指定面積は、1200万ヘクタールを超えている。日本の森林(約2500万ヘクタール)の半分近くが指定されている。種類はいくつもあるが、7割以上が水源涵養保安林で、2割が土砂流出防備保安林である。

 

 保安林では、指定用途以外への転換は規制されている。簡単に木を伐採してソーラーパネルを設置したり、伐った木を燃料にするため運び出したりできない。もちろん風車を建てるのも、地熱探索でボーリングするのにも規制がかかる。

 これでは再生可能エネルギーを推進しづらい。そこで保安林指定解除をより進めやすくするため、林野庁では解除のためのマニュアルづくりが始まったそうだ。

 

 必要な手続きを明確化し、必要書類を明示して指定解除のための審査を迅速化するためだとか。また申請前の事前相談(事業者と都道府県や森林管理局)もこれまでは1年近くかかることもあったのを早める意向だ。なお解除しなくても施設を設置できるケースもあるので、整理してマニュアルに記すという。

 

 これって、保安林指定を早く解除できるよう後押しを、林野庁がするということではないのか。マニュアルをつくるだけ、審査は適正に……というのは言い訳だろう。

 

 保安林指定そのものは、森林保全としては緩いもので、いろいろ抜け道があることは以前から言われていた。しかし、それさえも邪魔になってきたということか。

二酸化炭素を削減しない再生可能エネルギー

 原点にもどって考えてほしい。再生可能エネルギーとは二酸化炭素の排出がない(少ない)うえに、枯渇することのないエネルギーとされている。しかし、本当にバイオマス太陽光発電が、二酸化炭素排出を削減しているだろうか。

 

 メガソーラーはどんどん規模を拡大している。最近では500ヘクタール規模(宮城県白石市)の計画まであるが、それだけの面積の森林を切り開いてソーラーパネルを並べることのどこが二酸化炭素削減か。

 バイオマス発電は、山の木を丸ごと伐採して木材は全部燃料にしてしまっている。あるいは海外から化石燃料を使う船に積み込んで輸入している。

 風力も、森林地帯に設置する場合は、だいたい1基設置するのに1ヘクタールは必要で、さらに管理道路なども建設されるため、結構な森林を削る。これが森林地帯に100基規模で並ぶこともある。

 

 森林を伐採すれば、二酸化炭素は吸収されなくなる。木を燃やしてもカーボンニュートラルで、木はまた生えてくるからプラスマイナスゼロだと主張するが、樹木が元の太さまで生長するには、50年以上かかるだろう。9年後の2030年の時点では、排出量は増加したままだ。そもそも再び伐採した面積と同規模の森林をつくられる保証もない。

 

 すでにEUでは、バイオマス発電を再生可能エネルギーの区分から外そう、もっと基準を厳しくしようという動きが進んでいる。燃料確保の名目で、森林破壊が著しいからだ。

 太陽光発電も、ドイツでは、森林を伐採してつくると6倍の面積を植林をしなければならないなど、規制が厳しい。その点、日本には何もない。

 

 何より森林破壊は、気候変動と並んで国際的なテーマである生物多様性を破壊するのは間違いない。そして水源涵養、土砂流出防止機能も奪ってしまう

 

 結局、目先の数値目標(再生可能エネルギーの拡大)しか眼を向けず、本来の目的である二酸化炭素排出削減には何ら寄与しない(どころか排出を増やす)政策を唯々諾々と進めているのではないか。

 

 まさに手段を目的化している。そして森林行政は、最低限の保全規定である保安林制度も形骸化させつつあるのだ。

 

「国の補助金が日本の山をダメにした」高級木材を燃料にする”再エネ発電”の大問題

 再生可能エネルギーの一つとして「位置付けられている」木質バイオマス発電は

林保全の観点からも、「大問題」であると論じられることが多くなりました。

 

        「国の補助金が日本の山をダメにした」

       高級木材を燃料にする"再エネ発電"の大問題

 

プレジデントオンライン

https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20210630-00047291-president-column?fbclid=IwAR1m-pM7ZSKlz4FveuCTitjXo3jTuOfcL6Lo3utqrwRdyxsKzPRu739T4j8

 

 日本の国土は約7割が森林だ。しかし、国産木材の自給率は3割ほどにとどまる。『森林で日本は蘇る 林業の瓦解を食い止めよ』(新潮新書)を出した慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科の白井裕子准教授は「高い価格で取引されてもおかしくない木までもが、燃料用に叩き売られている。このままでは日本の森林が危ない」という――。

 高い木が売れなくなった

 丸太は品質によってA、B、C、D材に分けられる。A材は製材に、B材は集成材やCLT(Cross-Laminated-Timber)、合板の材料になる。

 CLTと集成材は似た製品である。集成材は、切り分けた木材の繊維の方向を「同じ向き」にそろえて接着して作るのに対し、CLTは、切り分けた木材の繊維の方向を交互に「直交」させ、接着して作る。最近、海外から入ってきたものである。

 合板は、大根を桂剥(かつらむ)きする要領で、木の外側から薄い板を切り取り、それによりできた薄い板(ベニア)を、その繊維方向を交互に直交させて重ね、接着剤で貼り合わせて作る。ベニアは正確に言うと合板ではなく、それを構成する薄い板の方である。もちろん集成材や合板もなくてはならない建築材料だ。

 C材はチップ用などである。D材は林地残材、要するにこれまではそのまま山に置いてきた資源で、今なら再生可能エネルギーの燃料用である。

 木材などを燃料にしてエネルギーを作るバイオマスプラントで用いられる。補足すると、一般的にはエネルギーを作るのに使うバイオマスには、建設現場で出る廃材、生ゴミ、家畜排泄物などもある。ただし、以下、バイオマスは木由来の有機物として話を進める。

 高品質な木材ほどピンチ

 価格は当然、A材が一番高く、順に値段が下がる。

 木1本の大きさには限度があり、また個体差もあり、材質も均一ではない。集成材やCLT、合板は、個々バラツキのある木の性質を平準化し、自然の木では難しい長さや幅の製品を作り出す。また立木からA材ばかり取れるわけではない、B材もC材も使う先があるのは重要である。しかし今の日本林業の問題はA材が売れないことである。増えているのは、B以下の需要ばかり。

 実はこのA材の製材を得意とするのが各地にあった中小の製材所である。しかし、これが激減している。背景には国が大規模化、集約化を進めたことがある。むろん大規模化には良い面もある。B材にあたる集成材やCLT、合板などの製材は、大型工場に軍配が上がる。

 懸念されるのは、本来A材として売るべき丸太も、B材として売らざるを得ない状況が発生していることだ。同様にB材をC材で、C材をD材で、という具合に値段が下がり、用材になるはずの丸太が、そのままバイオマスのエネルギープラントに流れ出している。

 バイオマスのプラントでは、残ったD材を消費するのが本来の姿である。バイオマス再生可能エネルギー利用は、これまで売れなかった木の残りを使うことに意味がある。しかしもっと高く売るべき丸太まで消費し始め、丸太全体の価格が下がってきた地域もある。ある県庁の担当者は「まずいことになった」ともらしていた。

 「大変な時代が来た」宮大工の嘆き

 以下は、知人の還暦を過ぎたある宮大工から聞いた話である。彼が「大変な時代が来た」と言って教えてくれた。

 原木市場に木材を買い付けに行ったら、建築用材となるはずの丸太が、トラックごとバイオマスプラントへ直行するのを見たそうだ。政策を決めた側は、「用材になるはずの丸太が、バイオマスプラントに運ばれるなんてことはあり得ない」と言う。

 しかし紙の上のルールで現実を縛ることはできない。用材となるべき丸太がバイオマスプラントへ運ばれていく。各地の現場は、それを目の当たりにしている。

 なぜ丸太のバイオマスプラント直行が業界で問題視されるのか。木は魚のように身からアラまで、無駄なく使うことで資源全体の価値を上げる。こういう利用方法をカスケード利用と呼ぶ。簡単に言えば、木を適材適所に使い分け、資源を無駄なく、すべて使っていくことだ。

 木の良い所から建築や家具の材料に使い、見た目の悪い木は、建築でも人の目につかない所に使ったりする。そして少々曲がっていたりして、必要な長さが取れないものは、集成材やCLT、合板を構成する材料等にする。最後に、もう形を取ることができない残りを、紙の原料やエネルギー源に使う。燃料にして燃やす木も、カスケード利用の中に位置付けられていることが大前提である。

 A、B、C、D材でいうD材のように伐り倒した後、山中に置きっぱなしにしていた木などをバイオマスに回すなら意味がある。木1本の、そして山林全体の価値を上げてくれる、このような使い方ならば、有意義である。

 しかしD材より上質の木材を燃やし始め、これまでB材、C材を使っていた業種と取り合いになっている地域がある。それどころか実態としては、A材まで手が伸びている。

 高品質の木材も、安価な再エネ燃料に……

 先ほど説明したとおり、木の単価は、家具や建築用材が一番高く、次第に下がっていく。粉々にする木が一番安い。刺身でも十分に美味しい魚を、濃い味付けが必要なアラ同等の安い値段で叩き売っていることになる。

 せっかくの建築用材を粉々にする燃料として叩き売れば、一時的に現金は稼げるかもしれない、建築用材の需要がないからという人もいる。しかし、それでは今を凌(しの)げたとして、山林も山村も疲弊に向かい、将来への持続性は得られない。

 用材となる木は、植えるにも、育てるにも、伐り出すにも技能がいる。きちんと用材として売れれば、育てた技術や山林にも正当な対価が払われる。山の麓に住む人々の仕事と家族の生活が守られる。それで次の世代の木を山に植えることができる。このサイクルが回れば、林業や製材業が将来へと発展していく。

 しかしバイオマスに使う木は粉々にするのだから、質は問わず、取引価格は安い。バイオマス利用だけでは、再造林などあり得ない。どこの木を、どう伐り出そうと、コストが安いのが一番。このような価格帯の低い木ばかりの流通量が増えれば、木材価格全体が下がり始める。

 さらに立木を植えて育てて収穫する技能まで損なわれ、山林の作り方がおぼつかなくなる。国土保全の劣化も心配される。

 再エネ補助金で、日本の森がダメになる

 本来は高い値段のはずの建築用材をエネルギー利用に回していたらお金にならないだろう、と思うかもしれない。しかし山から木を伐り出す仕事に補助金が下り、売る際にはFIT(フィット)をもとにした金額が支払われる。

 FITとはFeed-In Tariffの頭文字を取ったもので、エネルギーの固定価格買取制度を意味する。再生可能エネルギーで発電した電力を、電力会社が一定の値段で買い取ることを定めたもので、バイオマス発電から得られる電力も対象となる。日本では電力会社が買い取る費用を、われわれ消費者が「再エネ賦課金」として負担している。

 最近、山林所有者になった方が「1年に7000万円の補助金をもらい、伐った木の多くをバイオマスのプラントに運んでいる」と言っていた。A材やB材の売り方も知らず、売り先も持たないようだった。これでは補助金を使った資源の切り売りに近い。

 政策に関わる人の中にも、この問題点に気づいている人がいる。

 「上(上司・上層部)の頭には、製材業について大規模集約化しかない。しかし中小の製材業が大事だ。あなたの口から言ってくれ」

 こう言われたこともある。政策も分かりやすい数値が取れる方に動く傾向があるため、どうしても大規模化を是とする傾向があるのだ。外からの「新しい」事業に傾倒し、昔からの「古い」事業の発展を蔑(ないがし)ろにするのは、日本的であるとも思う。

 「新しい」事業は、予算も取りやすい。CLTもバイオマスも、日本林業にとっては外から来た「新しい」事業である。持続性を得ようとするならば、どちらも必要で、共存できるよう制度を工夫することが求められる。

 そして、むしろ外からではなく内から、みずから成長する産業に持続的な将来性がある。外からすげ替えたところで、一時を凌いだだけになりかねない。「これまで」の積み重ねを軽視せず、粘り強く明日へと成長させることが重要だ。

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白井 裕子(しらい・ゆうこ)

慶應義塾大学准教授

慶應義塾大学准教授。早稲田大学理工学部建築学科卒。稲門建築会賞受賞。ドイツ・バウハウス大学に留学。早稲田大学大学院修士課程修了。株式会社野村総合研究所研究員、早稲田大学理工学術院客員教授などをつとめる。工学博士。一級建築士。著書に『森林の崩壊』。

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                    2021.6.30 プレジデントオンラインより

「バイオマス発電は再エネと認めない」EU規制強化へ

        英フィナンシャル・タイムズ電子版より
 
 欧州連合EU)の欧州委員会は、木材燃焼で発電する電力の一部を再生可能エネルギー
から除外する方向の規制強化を検討している。背景には、環境団体や専門家からの圧力の
高まりがある。
 英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙が確認した内部文書によると、欧州委は、木材や
有機性廃棄物を原料とする可燃性ペレットを使うバイオマス電力を再生可能エネルギー
みなすかどうかの基準となる「持続可能性基準」の厳格化を提案する予.定だ。
などを上回っている。
 フィンランドスウェーデンなど、EU主要加盟国の中でもバイオマス発電への依存度の
高い国は、EUの「再生可能エネルギー指令」を変更しないよう働きかけている。
 これに対し、環境活動家らは木材を原料とするバイオマス電力はすべて再生可能エネル
ギーの分類から除外すべきだと訴えている。
 内部文書は、「ノーゴー・エリア」と呼ばれる多様性の高い原生林からの木材は「再生
可能」と認めるべきではないとしている。
 EUバイオマス総発電量のうち、原生林由来の木材を使用する電力は約18%を占める。
EU指令の適用対象は現在、発電容量20メガワットを超える発電施設に限られているが、
正案ではこれを5メガワットに引き下げて適用対象を広げる方針
 また、欧州委員会は加盟国に対し、質の高い木材を発電原料として使用するのは他の原
料を使い切った場合に限ることも求める方針だ。
 環境団体や専門家らは木材の燃焼を伴う発電は二酸化炭素CO2)を排出し、「カーボ
ンシンク」とよばれる森林によるCO2吸収の機能を低下させると訴えている。欧州委に対
しては、再生可能エネルギー指令を改正し森林由来の原料を使った電力を再生可能エネル
ギーと認めないよう求めている。
 欧州委のフランス・ティメルマンス上級副委員長(気候変動担当)は、バイオマス発電
がなければ、EUは2050年までに温暖化ガス排出量を実質ゼロにする野心的な気候目標を達
成できないと発言している。
 同氏は5月にEUの政策に特化したメディア、ユーラクティブに対して、「全体の中で
イオマス発電は必要な部分だ。だが、それは適切なバイオマスである必要がある。バイ
オマスといえば)森林を丸ごと切って焼却炉に放り込むという見方は容認しがたい。それ
は持続可能でないし、議論として成立しない」という。
 欧州委は30年までに再生可能エネルギー比率を32%にするという現行目標を、40%近く
まで引き上げる見込み。これは、今後数週間のうちに最終決定される見通しだが、FTが入
手した内部文書には明記されていない。
 この見直しには加盟国の規模などを加味した「特定多数決」での賛成多数と欧州議会
過半数の賛成が必要となる。
 EUは欧州全域でCO2排出量の削減に拍車をかけるために大胆な法改正を進めている。
生可能エネルギー指令の改正もその一環で、7月中に改正案が公表される見通し。EUは今後
10年で1990年比で55%の削減を目指している。
 人権・環境保護の非政府組織(NGO)、グローバル・ウィットネスの温暖化ガス担当上
級活動家ドミニク・イーグルトン氏は「欧州委は、自分たちの再生可能エネルギー指令は
その名が明らかに示している通りに、再生可能なエネルギーだけを支持している、と言明
すべきだ」と語った。
                               By Mehreen Khan
           (2021年6月17日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 )

リネン吸着法検査の現場から

 チェック市民会議では、木質バイオマス発電所の稼働前から、リネン吸着法検査を行

っていますが、2020年7月に稼働してしまった木質バイオマス発電所の稼働後初のリネ

ン吸着法検査を、11月から開始しました。

 そのときの様子をリネンチームメンバーが書いて、ちくりん舎に送り、記事にしてい

ただきました。

 

        稼働後のリネン吸着法調査を始めました

                               リネンチ―ム・メンバー

 2021年1月1日、初日の出を見ようとカーテンを開けた私の目に入ったのは、千曲川

挟んだ対岸の木質バイオマス発電所からもくもくと立ち上る白い煙?(水蒸気?)でし

た。お正月もやっぱり休まないんだ・・・

 東御市の木質バイオマス発電所は2020年7月15日稼働を開始しました。当初煙らしき

ものは何も見えず、私たち木質バイオマス発電チェック市民会議のメンバーも「本当に

始まっているの?」と、何度も現場をのぞきに行ったものでした。冬になり気温が下が

ると毎日もくもくと見え、見るたびにどうしてこんなものができてしまったのだろうと

心が痛くなっています。

 私たちは2019年の11月から翌年2月の3か月間、稼働前のリネン吸着法調査を行い、デ

ータを集めました。比較するならやはり同じ時期にということで、2020年11月から3か

月間調査中です。

 リネン調査はちくりん舎の青木さんにご指導いただきながら、全部で10か所行ってい

ます。発電所のふもとの1か所を中心に、3方向に1キロ、2キロ、4キロの地点にリネン

布を張りました。千曲川を挟んだ河岸段丘東御市。風の流れも川に影響されるだろう

ことを見越しての場所になっています。

 と、書けばなかなか計画的にスムーズにいったように思われますが、実際はおっとど

っこい・・・な感じで、進みました。1回目に実施した時の写真を見て「リネンの高さ

が低すぎます。4メートル以上ないと下からのまき上げの影響を受けてしまう」と青木

さんから連絡がありました。「これは大変!」4メートルって、結構な高さです。各場

所、設置する角材を買ってきたり、野菜の支柱をつなげて高くしてみたり。そして、そ

こで私たち仲間から出てきた話が「4隅を止めると巻き付かなくていい」でした。「な

るほど! 高くして4隅を止めて、完璧!」ところが、その写真を見た青木さんからまた

ダメ出し。「リネンの下を止めてしまうと、ブラウン運動をうまく拾えない。外してく

ださい」「でも、下のひもを長くしてはためくようにしたものは、まあいいでしょう」

ということで許可をいただき、やっとこさという感じで設置できました。

 チェック市民会議の活動としてはこの他、とてもフットワークのいい仲間が毎日のよ

うに市の生活環境課に足を運び説明し訴えてくれたおかげで、市として灰の放射能検査

を毎月してホームページにアップしてくれるようになりました。とても大きな成果だと

思います。また、木バスのこと、放射能のことなど、少しでも多くの人に知ってもらえ

るよう、自分たちも学べるよう、月1回勉強会を開くということにしました。その名も

「木バスサロン」。昨年の8月から始めて4回行いました。テーマだけ紹介すると、第

1回「森林バイオマスってカーボンニュートラル?」 第2回「福島・宮城・北海道の木

バス発電所見学報告」 第3回「リネン吸着法って、すごい!」 第4回「低線量内部被

曝」です。コロナ渦で人数制限がある中、毎回上限の20名近くの方が集まってくれまし

た。いつも教えてもらっているばかりでなく、自分で資料を読み、まとめ、発表すると

いう経験が自身の理解を深めてくれていることにも気づかされました。その他、文章や

パソコンが得意な仲間はブログに活動状況などをアップしたり、ニュースを作って発行

したり広報活動も頑張っています。とても心強い仲間は足を使って歩き、語り、活動に

必要なカンパを集めてきてくれます。そして発電所の本当に近くに住んでいる方たちの

熱い思いは、何よりも私の心を動かします。

 リネン吸着法調査の経費は「市に出してもらえば?」という人もいますが、私たち市民が自ら検査することが大事だと、チェック市民会議のメンバーは考えています。

 ひらひらとはためくリネンは「私たちは見ています! チェックしています!」と訴え

てもいるのです。

 この先何年木バスが稼働し、私たちの活動も何年続くのか、わかりません。時にはく

じけそうになる気持ちを、仲間に奮い立たせてもらいながら頑張っていきたいと思って

います。大好きな東御市のために。未来ある子供たちのために。

               NPO法人市民放射能監視センター・ちくりん舎

               ちくりん舎ニュース No.25  2021.1.28 より転載

 

f:id:nishiyama2020:20210609151012j:plain

はためくリネン布

 

放射能汚染の「見える化」のために

        ちくりん舎による「ハウスダストセシウム濃度測定による放射能汚染調査」

                                                                  

 NPO法人市民放射能監視センター(ちくりん舎)は、原発事故10年後の放射能汚染の

実態を「見える化」するために、福島県内外の家庭153ヵ所のハウスダストセシウム

濃度測定を行いました。

 今回の調査では参考として浪江町の帰還困難区域の3ヶ所の屋内と、南相馬・避難20

ミリシーベルト基準撤回裁判原告の家屋のハウスダストを測定し、東日本各地のハウス

ダストと比較することを行いました。

 

 私たち「木質バイオマス発電チェック市民会議」にも、長野県東信地方のハウスダス

トを調査したいという依頼があり、12ヶ所の家庭の掃除機のゴミパックをちくりん舎に

送り、調査に協力しました。153件全部の調査結果がちくりん舎のホームページでご覧

になれますので、ぜひ、のぞいて下さい。(http://chikurin.org/wp/?5982

 

 今回の調査では、当然人が住んではいけないとされている帰還困難地域と同等のレベ

ルの汚染が、南相馬市飯館村にもあることがわかりました。ハウスダストが、一般ご

みとして廃棄してはいけない指定廃棄物(8000Bq/kg以上)に相当する家が5ヶ所、放射

性物質のリサイクル基準(放射性物質として扱わなくてよい基準、100Bq/kg以下)以上

の場所が福島県新潟県宮城県茨城県、千葉県、東京都で発見されました。

 また、ちくりん舎ではセシウムの水溶性試験も行い、ハウスダスト中のセシウムのう

ち75%程度が非水溶性であることも突き止めました。ハウスダストは屋内の空気に浮か

んでいる細かいチリなので、吸い込むと肺の奥に沈着し、非水溶性であると肺内部から

排出されづらく、長期に渡り内部被ばくすることになります。

 ハウスダスト南相馬市住民の尿検査結果とその分析、中間貯蔵施設見学などを載せ

た「福島原発事故10年の現実 ~ 続く汚染と内部被ばく 放射能ばらまきを止めるため

に」という新しいブックレットも出ました。

世界中の科学者がバイオマス発電を批判!

   書簡「森林バイオマスを使った発電はカーボンニュートラルではない」について、
森林ジャーナリストの田中淳夫氏が、ブログで以下のようなコメントを出しました。
 
  最近いらだつのは、フェイクニュースを元に政策がつくられていると感じるときだ。

   国際環境NGOのFOEjapanが、ブログで「500名以上の科学者が日本政府に書簡を提出:森林バイオマスを使った発電はカーボンニュートラルではない」を公表した。

  内容は、42の国と地域の500名を超える科学者が、日本のほかアメリカ、EU、韓国に対し「木質バイオマスを使った発電はカーボンニュートラルではない」と主張する書簡を提出(アメリカ時間の2月11日)したというもの。バイオマス発電のために森林が伐採されていること、森林の再生には時間がかかり、数十年から数百年にわたって気候変動を悪化させること、バイオマスの発電利用は化石燃料を使用した場合の2〜3倍の炭素を放出する可能性があること……などを指摘している。

  詳しくは本文を読んでいただければと思うが、実は以前から指摘されてきたことだ。そして、その内容は、あまりにも当たり前すぎるもの。だいたい燃やすために森林を伐採して、どこが「地球温暖化防止」対策なのだ。とくに日本はバイオマス発電燃料の過半を輸入している(国内の燃料も遠方から運んでいる)うえ、発電だけで熱利用をせずエネルギーの半分以上を捨てている点でも、欧米以上にたちが悪い。

  科学者が真摯に突きつけた提言に目を通しても「バイオマス発電は再生可能エネルギーで、地球環境をよくします」と平気で口にする役人や学者は、単なるバカか、あるいは見て見ぬふりをする嘘つきだ。

  まだある。政府は森林間伐等実施促進特別措置法の改正案閣議決定した。同法は市町村の計画に基づいて行う間伐を支援するものだが、2020年度末で期限が切れるため、30年度まで延長するよう改正するものだ。
  そこでは地球温暖化対策計画で、21年度から30年度で年間の間伐面積を45万ヘクタール行うための補助金を出すと記されている。これがかなり噴飯もの。

  そもそも間伐したら、なぜ二酸化炭素の排出が減る(=地球温暖化が止まる)のか、本気で説明してほしい。科学的でないだろう。だって、間伐というのは木を抜き伐りすることだが、炭素を蓄えた樹木の本数を減らすことが、なぜ二酸化炭素削減になるのか? 伐られた木を燃やしたり腐らすことで、逆に放出しかねないではないか。仮に木材として利用しても、歩留りは半分以下だ。

  残した木は、周辺の木がなくなることで日当たりなどがよくなることでよく生長し、二酸化炭素をよく吸収する……というのも子供だまし的な説明だろう。たしかに開いた空間に枝葉を伸ばし少しは幹を太らせるかもしれないが、それも間伐された木の分だけしか生長しない。何年も経って、ようやく間伐前の吸収量に近づくだけで、以前より多くなることは有り得ない。一定の森林空間で生長するバイオマス量は一定、というのは森林学の常識だ。(間伐するな、というのではない。間伐の役割は別にある。間伐が二酸化炭素の吸収を増やすという説明が嘘だ、と指摘しているのだ。)

  ついでに言えば、若い木の方が老木より二酸化炭素の吸収も多いというのも怪しい。ネイチャー論文を少しは読んだらどうか。拙文でも指摘した。「老木ほど生長する!」
  ちなみに日本の林政では、スギを50年で老木扱いして「伐期だ、早く伐れ」と補助金をばらまいて皆伐を推進する。だがスギの寿命は屋久杉など特別なものを除いても、200~300年は優に生きる。50~60は鼻ったれ、というか若木だ。どんなに少なめに見ても100年生ぐらいでなければ生長が落ち着いたと言えないだろう。

  こうして世の中、嘘と過ちの情報を元に政策が推進されているんだなあ、と絶望的な気分になるのである。

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