「高レベル放射性廃棄物」はふやさない、埋めない!
地学研究の専門家集団が、「高レベル放射性廃棄物」の地層処分について
「日本ではありえない!」という見解を述べるブックレットを出しています。
そのご紹介です。
地学団体研究会ブックレットシリーズ13
「高レベル放射性廃棄物」はふやさない、埋めない
― 「科学的特性マップ」の問題点 ―
「科学的特性マップ」を考える会 著 オールカラーA5判44頁
頒価100円 送料:9冊まで100円 10冊以上無料
福島第一原発の重大事故後、各地の原子力発電所の再稼働と、「高レベル放射性廃棄物」の処分が大きな問題となっています。
「高レベル放射性廃棄物」はその強い放射能が弱まるまでの約10万年間、安全に保管しなければなりません。国は、これを地下に埋めて保管(地層処分)すると言っています。
地元の反対などもあり、地層処分地の選定が進まない状況で、処理を急ぐ政府は、2017年に資源エネルギー庁から「科学的特性マップ」を公表しました。
これは、地層処分について「好ましい地域」と「好ましくない地域」を区分した地図です。これを元に、全国で「対話型全国説明会」を開催して、処分地の応募を進めようとしています。
日本は、地震や火山の活動が活発な変動帯に属していて、地下に「高レベル放射性廃棄物」を安全に保管する場所はないと考えられます。「科学的特性マップ」には、地質を専門とする立場から見逃すことができない多くの問題点があるのです。
本書は、「科学的特性マップ」と地層処分についての問題点を整理し、「高レベル放射性廃棄物」の発生、地層処分の問題点や解決の道筋などが系統的に学習できる構成になっており、基礎的な事項やトピック的な内容についても知ることができます。
44ページと手軽な冊子なので、学習会などでもご使用いただけます。多くの方が、「科学的特性マップ」と地層処分について考えていただければと思います。
本書はすでに8000人ほどの方々に読んでいただいています。
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地学団体研究会(地団研)は、大学教員・地質技術者・小中高の教員・学生・
院生・一般の研究者などで構成される日本学術団体の学術登録団体です。
URL: https://www.chidanken.jp E-Mail:chidanken@tokyo.email.ne.jp
「科学的特性マップ」を考える会 は、地団研の有志でつくる会です。
本書の申し込み先は下記です。
担当:金井克明 E-Mail:kanai-jy@joetsu.jp TEL: 090-2169-0566
~~~~~~~~ 目 次 ~~~~~~~~~
はじめに
A 「核のゴミ」の発生と地層処分
1 「核のゴミ」をどうする?
2 破綻した核燃料サイクル
3 「核のゴミ」の地層処分
コラム1 原子力発電で電気を起こすしくみ
コラム3 原発の燃料であるウラン鉱石
コラム4 日本の原子力発電の現状
コラム5 原発事故は取り返しがつかない
コラム6 特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律(抜粋)
B 「科学的特性マップ」の問題点
1 「科学的特性マップ」とは?
2 「科学的特性マップ」と地震
3 「科学的特性マップ」と活断層
4 「科学的特性マップ」と火山
5 「科学的特性マップ」と地下水の流れ
6 福島第一原発の汚染水と地下水問題
コラム2 「科学的特性マップ」の策定と「対話型全国説明会」
コラム3 ドイツのアッセⅡ核廃棄物処理場の失敗
コラム4 迷走するアメリカのユッカマウンテン処分場計画
コラム5 深地層研究のデータ公開と科学的議論を
コラム6 さらに詳しく知りたい方のために
C 「核のゴミ」の処分をどうするか
1 地層処分について学術会議などの見解
2 「核のゴミ」の処分は、社会的合意で!
コラム2 日本と世界の原子力発電所などの重大事故(年表)
図表類の出典 「科学的特性マップ」を考える会の活動
2019年7月 第1刷発行
2019年9月 第2刷発行
2019年11月 第3刷発行 (好評により第3刷を頒布中)