木質バイオマス発電

信州の 山なみ見わたす 陽だまりの町・東御市、ここに木質火力発電所ができるって?!

経済産業大臣に審査請求書を提出

                         2020年 7月 2日

 

経済産業大臣 殿

 

                          審査請求人 川端眞由美

 

             審 査 請 求 書

 

 次のとおり審査請求をいたします。

 

 審査請求人

 川端 眞由美

 

審査請求に係る処分の内容

関東経済産業局が2020年3月23日に審査請求人に対して通知した行政文書開示決定通知書(20200122公開関東第1号及び20200122公開関東第2号)について、不開示とした部分とその理由

 

 審査請求に係る処分があったことを知った年月日

   公開日 2020年4月7日

 

 審査請求の趣旨

 不開示部分のうち以下の不開示箇所に対する異議申し立て

 

 審査請求の理由

  「行政機関の保有する情報の公開に関する法」には「第一章 総則(目的)第一条 この法律は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする。」とあります。

 わたくしは第一条に則り、一人の市民として関東経済産業局に対し情報公開を請求いたしました。

 関東経済産業局が2020年3月23日20200122公開関東第1号及び20200122公開関東第2号により審査請求人に対して通知した行政文書開示決定について、「不開示とした部分とその理由」について納得できませんので、経済産業大臣に対して審査請求をいたします。

<1> 20200122公開関東第1号及び第2号で 2.不開示 とした部分とその理由(1)「使用燃料」に係る情報は、2017年11月1日付けで羽毛山区長と市長名で配布した「区民向け説明会」の案内「羽毛山区民の皆様へ」に <誘致企業の概要> 『間伐材等由来の本質バイオマス発電』を事業目的として『清水建設株式会社が設立する木質(ウッド)チップの生産及びこれを利用して発電事業を行う』と明記されており、だれもが知りうる情報として公開されております。

 当該事業について、東御市清水建設(株)が立地を申し出た2015年12月から2018年11月地元紙での公表までの3年間、市民には一切計画を説明せずに進めてきましたが、市民が2018年12月以降に行った情報開示請求により、この間のやり取りが明らかになりました。

 上記2017年羽毛山区13名の役員への説明以外にも2016年から2018年に清水建設(株)が市並びに羽毛山区役員に説明する際の資料に「間伐材等由来の木質バイオマス」の記載があるほか、清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)は自社HP等で「使用燃料」について「間伐材等由来の木質バイオマス」を広くアピールしており、2019年9月開催の地域イベント、10月以降実施している工場見学者、羽毛山区の全戸に配布したパンフレットにも同様の記載があり、だれもが知りうる情報として公開されております。

 清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)は木質バイオマス火力発電所建設計画の当初から現在に至るまで「使用燃料」を「間伐材等由来の木質バイオマス」と公言しており、関東経済産業局の「同業他社等が対抗措置を講ずるおそれ」を理由とする不開示の決定法第5条第2号イには該当しません。

 今回審査請求人が行った開示請求の「意見照会」に際し不開示を希望したことは、清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)が「再生可能エネルギー発電事業計画認定申請書」(FIT申請書類)に書いた「使用燃料」を今後変更する可能性を示唆したものと理解いたします。

 これは清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)がこれまで東御市や市民に説明してきた「間伐材等由来の木質バイオマスを使用燃料とする」という事業目的や趣旨等の基本情報が覆されることであり、関東経済産業局がそれを認めたということであれば、東御市ならびに東御市民は貴経済産業省に対し、清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)の「再生可能エネルギー発電事業計画の認定」(FIT認定)の取り消しを求めることとなります。

 東御市は、関東経済産業局が不開示とした部分を情報部分公開決定通知書(元生環第240号令和2年3月27日)開発事業(商工業施設等の用地造成)新規・変更届出書」(整理番号30-40-1)で、開示しております。

 

<2> 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(4)で不開示にした箇所について

 東御市は「土地を売却しただけ」と計画自体を市民には知らせず「事業内容は直接事業主体に問い合わせるよう」職員にも指示しております。一方、清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)は上記2017年11月の羽毛山区役員13名への説明会以外に市民への説明は一切行わず、企業の説明責任(accountability)を果たしておりません。

 「事業内容」で不開示とした部分は企業の説明責任(accountability)に関する、公益に資する情報であって、これを不開示とした決定は到底納得できません。

 特に「保守点検及び維持管理計画」(別紙)の情報を不開示にすることは「保守点検及び維持管理計画」は不十分なのではないかという市民の疑惑を招き、むしろ「当該法人の利益を害するおそれがあり」、法第5条代2号イに該当しません。これは審査請求人を含む市民がこの間東御市の誘致計画の経緯を明らかにしていった中で、羽毛山区の82%の世帯が「何も説明されていない」と「稼働反対」署名をしたことでも明らかです。

 「事業に要する費用」に関しては十分な「保守点検及び維持管理計画」がなされるかどうかを見極める一つの指標です。

 企業としての説明責任(accountability)を果たさないまま計画を進めた清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)の意向に沿って「事業内容」に関する箇所の不開示を決定した関東経済産業局は「行政機関の保有する情報の公開に関する法」の「国民に説明する責務」を否定するものであり、到底納得できません。東御市は「事業内容」に係る情報はすべて情報部分公開決定通知書(元生環第240号令和2年3月27日)「開発事業(商工業施設等の用地造成)新規・変更届出書」(整理番号30-40-1)で開示しております。

 

<3> 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(7)で不開示にした箇所について

 当該計画を東御市は一切説明せず、全て「事業主体の清水建設(株)と信州ウッドパワー(株)に説明を求めるよう」指導しており、「設備仕様」の「ボイラー組立図」「参考図」「発電機外形図」を東御市は情報部分公開決定通知書(元生環第240号令和2年3月27日)で開示しております。

 2020年1月21日行政文書開示請求の「意見照会」に際し清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)が「不開示」を希望したことは、清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)がFIT申請書類に記載した「設備仕様」がその後変更された等の可能性を示唆しているものと理解いたしました。

 審査請求人を含む市民は仮に「設備仕様」が変更された場合も含め、確認することができず、「行政機関の保有する情報の公開に関する法」第一条(目的)に基づきそのすべての情報を得る権利があると考えます。 

 

<4> 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(8)「ボイラー配置図(案)」「ボイラー配置計画図1/2(案)」「ボイラー配置計画図2/2(案)」「システムフロー図」、添付書類「配線図」に関して、上記<3>に関する箇所と同様、審査請求人を含む市民は仮に「設備仕様」が変更された場合も含め、確認することができず、「行政機関の保有する情報の公開に関する法」第一条(目的)に基づきそのすべての情報を得る権利があると考えます。 

 

<5> 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(9)(10)「系統連系に係る契約ご案内」のうち清水建設(株)の部署名、中部電力㈱の部署名について、不開示とする理由がありません。金額部分を含め、東御市は情報開示しております。「(清水建設株式会社)LCV事業部本部執行役員本部長南須原知良様」「(中部電力株式会社)上田営業所契約サービス課長箱山昌志」「工事費負担金」「2,080,574円」等はすでに公開されており法第5条第2号イに該当しません。

 

<6> 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(11)(12)「東信バイオマス発電所 事業実施体制図」における「東信バイオマス発電所」という名称は審査請求人を含む東御市民は東御市からも清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)からも何ら説明を受けておらず、認知しておりません。

 本来東御市へ立地希望する企業は、市を通して工業団地のある羽毛山区に「企業名」「事業名」を伝え、区が説明を希望した場合は区民説明会を実施し、区が立地を認めた場合、市は企業との協議や契約を行います。ところが東御市の花岡市長は清水建設(株)の前に木質バイオマス発電事業で立地を希望した企業に対し「区の反対で土地売却が出来なくなると困るので極力計画を隠して進めたい」と指示していました。<2>の羽毛山区の反対はこの公文書記録を確認したことで始まったものであり、2020年3月、花岡市長自ら事実を認めて羽毛山区で謝罪しました。しかしこうした花岡市政の下で木質バイオマス発電所建設計画を進めた清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)は、市と同様、地元市民への説明といった企業の説明責任(accountability)を一切果たさないまま木質バイオマス発電所建設計画を進めました。

 清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)が開示を拒んだ理由は市民に対する企業の説明責任(accountability)を何ら果たしてこなかったことを明らかにしたくないという身勝手な論理です。それを「当該法人の権利…その他正当な利益を害する」を不開示の理由とした20200122公開関東第1号の決定は「国民主権の理念にのっとり…国民に説明する責務が全うされるよう…公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする」とある「行政機関の保有する情報の公開に関する法」に明らかに反する、国民主権や市民の権利を否定するものです。

 「東信バイオマス発電所 事業実施体制図」について、東御市は情報部分公開決定通知書(元生環第240号令和2年3月27日)で開示しております。

 

<7> 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(14)「バイオマス燃料の調達及び仕様計画書」に係る不開示箇所は清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)の当該事業に関する基本情報であり、特に「1.国内の森林に係る木質バイオマス以外の木質バイオマス燃料の概況」を「不開示」と決定したことは、今後、清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)がFIT申請時に「使用燃料」とし、また既に<1>でも述べたように広く公言している『間伐材等由来の本質バイオマス』の「国内の森林に係る木質バイオマス」以外の木質バイオマス燃料を使用する可能性を示唆したものと理解いたします。

 そうであれば、清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)がこれまで東御市や市民に説明してきたことは覆されることとなり、東御市と市民は貴経済産業省に対し、清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)のFIT認定の取り消しを求めることとなります。

 「2.国内の森林に係る木質バイオマス燃料の概況」に関しては東御市清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)による東御市の工業団地の土地売買契約終了、火力発電所建設着工後、多くの市民が再三東御市に対し質問してきた重要な情報であり、東御市は既にその情報を情報部分公開決定通知書(元生環第240号令和2年3月27日)で開示しております。特に「燃料供給者等関係者との調整状況」について、ご説明いたします。

 2016年1月2月と清水建設(株)は「東信バイオマスプロジェクト(仮称)」名で東御市に打診したものの東御市は対応できず、「上田地域定住自立圏連絡協議会」に任せ、2016年3月と7月の2回「上田地域定住自立圏・木質バイオマスエネルギー利活用部会」で研究した経緯が残されています。

 事務局の上田市は「市内のマツクイムシ被害材に対処できるなら」と対応したものの清水建設(株)が要求する「燃料材の調達は困難」で「マツクイムシ被害材の処理は国庫補助で燃料搬出は不可能」と断り、同協議会町村も燃料材の協力を断わったため、清水建設(株)は協力依頼を「森林組合」に変更しました。

 2016年8月から2017年10月のFIT申請直前までの計5回、「東信バイオマス検討会議」という名称で清水建設(株)と上小森林組合の検討会議が持たれましたが、上小森林組合は「CD材は素材生産の15%」「マツクイムシ被害材は価格が安いと搬出できない」「森林組合ばかりにやれと言われても…」と否定的で、東御市の耕地林務係の記録には「上小森林組合との協定不調になった」と書かれています。

 2017年10月24日に清水建設(株)が経済産業大臣に申請した「再生可能エネルギー発電事業計画認定申請書」は、このように清水建設(株)の東御市における木質バイオマス火力発電所建設計画が思うように進まない状況の中で提出されました。そのことを経済産業大臣がどのように確認したのかが問われます。

 「4.燃料供給者等関係者との調整状況」「(1)燃料の安定調達」「(2)都道府県との調整」「(3)国有林との調整」「(4)林業、山村地域等への活性化の配慮」「(5)既存用途の事業者への配慮」の項目は、FIT認定申請に至る清水建設(株)の説明責任(accountability)を証明するものであって、項目を特定せずにそれぞれの調整状況を不開示としたことは、2017年の「改正FIT法に関する直前説明会 平成29年2・3月 資源エネルギー庁」で指導していることと矛盾します。ここには「認定申請情報を関係省庁・自治体に共有」「認定した事業計画の主要な情報を広く一般に公表」とあり、2018年9月4日にFIT認定を受けた清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)の認定申請情報は広く一般に公表されるべきものと考えます。

 「(6)地域社会に対する対応」の項目の「不開示」は上記「改正FIT法に関する直前説明会」にある「事業計画策定ガイドライン」に「説明会の開催など、地域住民との適切なコミュニケーションを図る」と明記されていることと相反するのみならず、今回不開示とされた箇所には看過できない重大な問題と思われる内容が記述されていました。

 ➀市町村:の箇所は上記<2>等で述べた通り「東御市は土地を提供するだけ」で、土地を買ってくれる「清水建設(株)がFITという、国の大変な認可を受けるまで極秘にしたことは当然」という認識で、そこには市民への説明責任(accountability)など全くありません。

 ➁近隣住民:の箇所はFIT認定の申請を行う清水建設(株)がいつどのように「地域住民」に説明し、住民からどのような反応があったのかを記入する欄ですから審査請求人を含む「地域住民」はその情報を知る権利があることは当然かつ記載内容が事実かどうかを確認できる立場です。

 清水建設(株)が「地域住民に説明した」とする2016年3月15日は、東御市商工観光課の記録では羽毛山区長と会計の2名に「長野トヨタ自動車(株)との契約」の説明を行った上で「羽毛山工業団地1-2番区画への立地を希望している清水建設の紹介」を行ったとあり、「地域住民に説明」はしていません。

 二つ目の2017年9月7日は商工観光課の課長ら職員3名が羽毛山区長一人に「2番区画の長野トヨタの建築状況」を説明した後「1-2番区画の現状と今後のスケジュール(案)」を「清水建設(株)が提供した資料」に沿って説明した日付で、ここに清水建設(株)はおりません。

 尚、清水建設(株)がFIT申請書類に添付した「事業計画確認書」(2016年4月9日)は羽毛山区長が「清水建設(株)のボーリング調査」の承諾をしたとされる書類ですが、東御市商工観光課の記録には区長が「トヨタの土地のボーリング」と認識していたことが記されています。

 清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)が今回開示請求の「意見照会」に際し不開示を希望したのは、「地域住民」への説明責任(accountability)どころか、「区の反対で土地売却が出来なくなると困るので極力計画を隠して進めたい」地元自治体に「地域住民」への対応を任せた、企業としての誇り(pride)すらない姿を開示されては困るという利己的な理由からです。

 20200122公開関東第1号が不開示を決定した理由としている「設備投資計画、用地取得計画その他運営上の方針が明らかにされ、又は具体的に推測される情報であるため、公にすることにより、同業他社等が対抗措置を講じるおそれがある等、当該法人等の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれ」(法第5条第2号)は全く該当しないことは、東御市情報部分公開決定通知書(元生環第240号令和2年3月27日)で明らかです。どのような理由で不開示と決定したのかを、あらためてご説明頂きたいと思います。

 長野県林務部は「長野県は放射性物質汚染対処特別法に基づく『汚染状況重点調査地域』の指定を受けていないものの『当面の間、文部科学省による航空機モニタリングの測定結果において、地表面へのセシウム134、137の沈着量の合計が10kBq/㎡を上回る箇所のある御代田町軽井沢町北相木村および佐久市佐久穂町千曲川以東の地域の原木で薪や木炭を生産し、流通・使用する場合は放射性セシウム測定を行い、安全を確認して下さい』と指導しています。

 清水建設(株)は上小森林組合からの燃料材の調達が困難になり、調達先を佐久地域の森林組合に変更しました。この地域の木材を燃料とした場合排煙や焼却灰から基準を上回る放射性物質が検出される可能性があることを承知している清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)が今回開示請求の「意見照会」に際し不開示を希望したことは、元々計画を予定していた東信地域の森林組合からの燃料材の調達が困難になり、燃料材として使用した場合排煙や焼却灰から基準を上回る放射性物質が検出される可能性がある御代田町軽井沢町北相木村および佐久市佐久穂町千曲川以東の地域の事業者や森林組合からしか燃料材を調達できない事実を、地域住民には知らせたくないという、企業の説明責任(accountability)を一切果たさない態度であり、到底認めることは出来ません。

 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(14)「燃料供給者等関係者との調整状況」や「地域社会に対する対応」の箇所を「不開示」としたことは経済産業省が企業の説明責任(accountability)は必要ないと考えているということになります。特に汚染木の燃焼に関わる情報の不開示は「国民の生命、健康、生活又は財産を保護するために公にすることが必要であると認められる」ため、審査請求人を含む市民は到底納得できません。経済産業省のFIT制度の目的や趣旨、公益性はどのように担保されるのかをご説明ください。

 

<8> 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(15)「バイオマス比率計算方法説明書」は既に開示を受けた東御市情報部分公開決定通知書(元生環第240号令和2年3月27日)開発事業(商工業施設等の用地造成)新規・変更届出書」(整理番号30-40-1)に「使用燃料は、単一の発電区分のバイオマス燃料のみであるため、バイオマス比率は100%」とあります。

 今回の開示請求の「意見照会」に際し清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)が「不開示」を要望したことは、清水建設(株) 並びに信州ウッドパワー(株)はFIT申請時に明記した「バイオマス燃料のみ」とする基本情報を、今後変更する可能性があることを示唆していると理解いたしました。

 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分は「行政機関の保有する情報の公開に関する法」の定める「公正で民主的な行政の推進に資する」情報であり、不開示の決定は「行政機関の保有する情報の公開に関する法」の目的、理念とは相反する、不当な決定だと言わざるをえません。

 

<9> 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(16)「社内体制」について不開示にする理由がありません。夫々の企業がどのような社内体制を取ろうが自由であり、同業他社等が対抗措置云々は理解できません。東御市は情報部分公開決定通知書(元生環第240号令和2年3月27日)で開示しております。

 

<10> 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(17)協定書、意向書の「契約の相手方」および「契約内容」は、当該事業が周辺市町村の地域資源や産業に及ぼす影響の見地から広く審査請求人を含む市民に公開すべき情報です。事業主体である清水建設(株) 並びに信州ウッドパワー(株)を含む、協定書、意向書の契約の相手方企業や団体等には企業の説明責任があり、FIT申請書類に記された情報を不開示にする理由はありません。

 上記<7>の「⒉.国内の森林に係る木質バイオマス燃料の概況」に関して、上小森林組合との協定が不調になった清水建設(株)が燃料材の調達先を「この地域の木材を燃料とした場合排煙や焼却灰から基準を上回る放射性物質が検出される可能性がある」佐久地域の森林組合に変更したことをお示ししました。

 清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)がFIT申請書類に記入し、今回不開示とした「契約の相手方」および「契約内容」の情報は、今後稼働予定の木質バイオマス発電所の燃料材を調達する企業の説明責任(accountability)に関する情報であって、その説明責任(accountability)は清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)にあること、さらに清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)のFIT認定を行った経済産業大臣にもあることは明らかです。

 これを「同業他社等が対抗措置を講ずる」といった理由で不開示とした20200122公開関東第1号決定は「国民に対する説明責任(accountability)」を果たさないものであり、到底容認できません。

 東御市は情報部分公開決定通知書(元生環第240号令和2年3月27日)で開示しております。

 

<11> 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(18)清水建設(株)担当者の「所属、役職、氏名」を不開示にする理由はなく、東御市は情報部分公開決定通知書(元生環第240号令和2年3月27日)で開示しております。

 

<12> 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(19)「東信バイオマス チップ製造について」の記載内容は、2017年11月の「区民向け説明会」の案内<誘致企業の概要> に『間伐材等由来の本質バイオマス発電』を事業目的として『清水建設株式会社が設立する木質(ウッド)チップの生産及びこれを利用して発電事業を行う』と明記されております。

 今回の開示請求の「意見照会」に際し清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)が「不開示」を希望し、20200122公開関東第1号が「不開示」を決定した「発電事業者にチップを納入する加工事業者」の箇所には「100%自社(信州ウッドチップ(株))」と記されていることが東御市の情報部分公開決定通知書(元生環第240号令和2年3月27日)で明らかになっております。

 一方、これも今回の開示請求の「意見照会」に清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)が「不開示」を希望し、20200122公開関東第1号が「不開示」決定した「国内の森林に係る木質バイオマス燃料の概況」の「4.燃料供給者等関係者との調整状況」「(5)既存用途の事業者への配慮」の箇所には「生産調整時などにチップ材購入を希望する(株)コバリンに対し清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)は「チップ材購入を検討」と記されており、この箇所が明らかになることで「100%自社(信州ウッドチップ(株))」と矛盾することから「不開示」を希望したものです。20200122公開関東第1号が不開示の理由とする「同業他社が…当該法人等の権利…」は全く根拠がないどころか「企業にとって開示されると不都合な情報」を不開示としており、清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)が一貫して東御市や市民に説明し、FIT申請書類にも明記された内容を変更する可能性を示唆したものだと受け取りました。

 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(19)の不開示の決定は到底「行政機関の保有する情報の公開に関する法」の「公正で民主的な行政の推進に資する国民主権に基づく市民の権利」を保障するものではなく、関東経済産業局の不開示の決定は不当なものと考えます。

 

<13> 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分 (21)「燃料情報」については、<1>及び<7>(14)で不開示とした箇所に関して繰り返し述べた通り、清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)の当該事業に関する基本的な情報であり、清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)がFIT認定申請書類に明記した情報です。

 今回の開示請求の「意見照会」に際し清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)が「燃料名 木質チップ(間伐材等由来)」の「不開示」を希望したのであれば、清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)は「使用燃料」を今後変更する可能性を示唆したと理解いたします。FIT認定を所管する経済産業省・関東経済産業局が、清水建設(株)及び信州ウッドパワー(株)がFIT認定申請時に提出した事業の基本情報を「不開示」とするのであれば、経済産業省のFIT認定制度そのものの目的が問われることになります。

                     

追記1.関東経済産業局情報開示度及び地方公共団体情報開示度について

 審査請求人が2020年1月22日関東経済産業局に対し行った「清水建設(株)ならびに信州ウッドパワー(株)の「再生可能エネルギー発電事業計画認定申請書」(FIT申請書類)の開示請求に対する関東経済産業局の行政文書開示決定で不開示とされた部分は、東御市に対し行った開示請求により開示された清水建設(株)ならびに信州ウッドパワー(株)の書類と重なるものがあり、その結果、関東経済産業局の行政文書開示決定で不開示とされた部分を含む開示文書と、東御市の開示公文書を比較することとなりました。

 

追記2.情報開示事務に係る内規等の基準の明示について

 関東経済産業局が2020年3月23日 20200122公開関東第1号及び20200122第2号により審査請求人に対して通知した行政文書開示決定について不開示とした部分とその理由は、経済産業大臣が「公にすることにより」生ずる「おそれ」を回避するためではないかと思われます。

 こうした判断は狭い企業利益のみを優先させており、本来企業が社会に果たしうる社会的貢献といった視点は全くありません。こうした関東経済産業局の決定は公益に資することはなく、国民主権に基づき定められた「行政機関の保有する情報の公開に関する法」の精神に反する、不当なものです。

 行政文書の開示請求に対する開示・不開示の判断が地方公共団体と国で異なることは、ダブルスタンダードであり、国民に不利益を与えることとなります。

 情報を公にすることで生じる責任を免れたいという所管・監督省庁の予防的基準で開示・不開示が行われていると思われます。公序良俗に基づく開示基準への改善を求めます。

 特に法第5条「行政文書の開示義務」の執行に係る内規等の基準を情報公開窓口が示されないこと(2020年5月1日関東経産局情報公開窓口担当者発言)は、何が開示されなかったのかを知りえない中で異議申し立てを行う審査請求人の審査請求書作成に著しい困難を強います。

 開示・不開示の内規等の基準の明示を求めます。

 

追記3.20200122公開関東第1号及び20200122公開関東第2号の再開示請求について

 今回の「清水建設(株)ならびに信州ウッドパワー(株)のFIT申請に係る書類一式」に係る開示に関しては、東御市が開示と判断した情報は経済産業省においても開示されることは当然ですので、改めて関東経済産業局の2020年3月23日20200122公開関東第1号及び20200122第2号行政文書開示決定について、上記述べた内容に基づき、開示することを求めます。

 

                                  以 上

 

添付資料

東御市情報部分公開決定通知書元商第25号令和元年6月28日⑤羽毛山区長、役員への事業計画、スケジュール等の説明等情報周知(平成27年12月以降6回、他関連説明)に係る実施伺い、説明資料、参加者簿、議事録等記録及び実施復命等一式

 

①平成27年12月15日 木質バイオマス事業の羽毛山区長への説明について

②平成28年1月14日 羽毛山工業団地に係る説明会について

③平成28年3月15日 羽毛山工業団地1-2番区画における羽毛山区及び清水建設との協議について

④平成28年4月9日 羽毛山工業団地1-2番区画における羽毛山区との協議について(ボーリング調査)

⑤平成29年9月7日 羽毛山工業団地に係る羽毛山区との会議

⑥平成29年9月19日 羽毛山工業団地1-2番区画バイオマス発電事業誘致に向けた羽毛山区への回覧文の配布について