木質バイオマス発電

信州の 山なみ見わたす 陽だまりの町・東御市、ここに木質火力発電所ができるって?!

  羽毛山地区の住民に、東御市が謝罪と説明に訪れる !

38日、東御市長と副市長2名と、関係部局の部長、課長、係長ら6名の市職員が、信州ウッドパワー(清水建設100%子会社)の木質バイオマス発電事業についての説明会を開きました。羽毛山区の住民63名が説明を受け、意見や疑問点を率直に出し合いました。

 チェック市民会議は、これまで東御市に対し、東御市民への説明会を開催することを求める署名活動を行い、昨年10月段階で1700筆余の署名を提出し、市民説明会を要望してきましたが、これまで東御市は、「周知してきた、議会の承認を得ている」、「当該事業の実施主体でない市が説明会を開催することは考えていない」という回答をしてきました。

 しかし、昨年12月、羽毛山地区の住民は、100戸中83戸の住民が「稼働に反対」であるという署名を集め、区の総意として「反対」であるという意思表示をしました。その結果、東御市はこれまでの回答を改め、「周知が不十分であった」ことを認め、木質バイオマス発電事業についての説明を羽毛山地区に対して行いました。

 また、市長は、「難しい地域なのでうかつに説明はしないでほしい」等の発言をしましたが、「牽制するつもりで言った」「ウッドパワーに関してではなく、それ以前の話しである」「慎重に進めたいとの気持ちの一部分が切り取られ、このようなことに至ったことに対し深くお詫びする」という言葉で、謝罪しました。

 集まった住民たちは、東御市に対し、様々な疑問点を述べました。以下、「説明会・議事録」より、住民が述べた主な疑問点をまとめてみました。

 

①一番最初になぜ区民にきちんと説明しなかったのか。黙っていてはいけないと声を上げている。本当に安全であるかが一番問題である。各戸回覧したというが、回覧でじっくり見る人などいない。飯山市で反対された施設をなぜ建設許可したのか。

②羽毛山区が賛成した形で、FITの認定を受けているのか。当時の区長の同意書をもらっていて、それが添付され認定を受けているというが、一人や二人にしか話をしないでハンコをもらっただけで許認可の手続きをしてよいのか。

③以前の話(むやみに話をせず)と言っているが、ウッドパワーとの契約の時に議員にも正式な申請が受理されるまでは公にしないでほしいと言っている議事録がある。現在の話である。危ないものだから黙っていろということか。

④一度だけ行われた14名しか出席していなかった区民説明会の中にいたが、そこでは「チップを作るだけ」と聞いた。それだけならと思ったが、回覧だけで話が進んだ。清水建設が木材を調達するというが、東信地域の木材だけで20年もつのか。

⑤説明会に出た人もチップを作るということしか聞いていないのに、火力発電を始めるという話しだ。火力発電という文書がぜんぜんない。冷却水に使う水道水は一日736㎥と書かれているが、羽毛山・牧が原地区で使う水量の1/10ということになる。こういう水をたくさん使い、木をたくさん使うことが国の推進している事業だとするなら、違うところに意図があるのではないか。

⑥燻蒸処理した木材は使用されない、焼却灰は基準に基づき放射能濃度を公表する等と書いてあるが、それは事業者が言っていることであり、信じられない。それに軽井沢町のきのこは基準が上回っているために何年も前から食べられない。これは東信一帯は放射能に汚染されていることを示す。それなのに各地から木材をかき集めて燃焼させるという。その状況で放射性物質が出ないと言えるのか。たとえ微量でもたくさんかき集めて、24時間365日、20年燃やすとなると、微量だ、基準を下回ると言っていても、蓄積していく。

⑦なぜこの説明会は羽毛山だけなのか。これは全国の問題だ。この時期、中国から黄砂が舞ってくる。北京からPM.2.5が、北九州、鳥取まで来る。つまり風に乗ればどこまでも飛んでいくということだ。大勢の人が被害を受ける。説明会は市民全体にしてほしい。

⑧騒音の問題もある。空冷式にしたというが、そうするとすごい音が出る。バグフィルターについた灰を落とす音やチップを砕く音は、かなり大きい。日夜同じ音を出し続けるのか。それに、山形の火力発電所は使用中に爆発したという。そういう事故や火事なども起こるのではないか。

⑨バグフィルターをしたから安全だというのは間違いだ。大きな粒子は取れるが、一番小さな危険な粒子は漂う、そして肺に届くと、信大の教授から聞いた。

⑩羽毛山にはクリーンセンターの煙害もある。それをなくそうとしているのに、また煙を出すのか。青空が、星が見えない。昔は天の川が見えたのに、今は見えない。空気を汚してはダメ。水もそう。元には戻らなくなる。

⑪ウッドパワーから出た文書に、「復興状況や社会状況に配慮し」とあるが、なぜ復興状況や社会状況がウッドパワーに関係があるのか。それをウッドパワーが言うのはおかしい。

 

 羽毛山地区には、「火力発電所・反対」の看板が立ち始めています。東部クリーンセンターの煙に悩まされてきた羽毛山地区、今度はそれよりも大規模な火力発電所が地区内に立つというのです。それも、地域の合意形成もなされず、着々と進められた事業計画と発電所建設。このまま試運転まで始めるつもりなのでしょうか。説明会では「反対!」「白紙撤回!」という声も飛びかいました。チェック市民会議は、羽毛山地区の住民の立場に寄り添いながら、行政と事業者の行動をチェックし続けたいと思います。

 

 

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羽毛山地区に増え始めた「火力発電 反対」の看板

 

 

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火力発電所もゴミ焼却場もダメ!の看板