木質バイオマス発電

信州の 山なみ見わたす 陽だまりの町・東御市、ここに木質火力発電所ができるって?!

第2回木バスサロンを開きました!

《第2回 木バスサロン(2020.09.25) 報告》

 

パワーポイント 

「着工直前まで隠された木質バイオマス発電所計画」をめぐる経過を紹介しながら

約1年間を振り返りました。

  • 信毎記事「木質バイオマス、東御に発電施設、清水建設子会社」(2018.11.7)
  • 「木質バイオマス発電を学ぶ会」が花岡市長に市民説明会の開催を求める要望書を提出した時の写真(2019.05.24)
  • 「木質バイオマス発電チェック市民会議の発足」(201908.24)を伝える東信ジャーナルの記事
  • 市民説明会の開催を求める1,322名の署名用紙を高藤市民生活課長に手渡した時の写真(2019.10.03)

 パワーポイント 

チェック市民会議のメンバーが9月初旬に見て回った以下の施設の写真を示しながら、

東北、北海道の木質バイオマス発電所やごみ焼却施設についてその概要を説明しました。

 

資料 「尽きない放射能ビジネス、終わらない放射能汚染」  

      (「ふぇみん」2020.09.15 記事)

 福島県飯舘村は、環境省が除染廃棄物等の仮設焼却施設に使用してきた蕨平の跡地

に、来春、木質バイオマス発電所を建設する計画を発表しました。

 「放射能ゴミを考えるふくしま連絡会」「市民放射能監視センター(ちくりん

舎)」は、『この計画は、「福島再生加速化交付金」などを使い、放射能に強く汚染さ

れた被災12市町村に滞留するバーク(樹皮)や林地残材を、「有価物」として扱うなど

「新たな放射能ビジネス」である』と問題を指摘し、直ちに計画を撤回するように求め

る要請書を、75の賛同団体とともに村長宛に提出しました。

 超党派国会議員連盟原発ゼロの会」も、復興相と農水相に事業への交付金を実施し

ないように要請しました。

原発ゼロの会:公式ブログ → blog.livedoor.jp/gempatsu0/ 7月2日参照)

 

 そもそも環境省は、森林除染は行わないとしているのである。

 

意見交換

*「7月から稼働が始まったウッドパワーの木質バイオマス火力発電所の煙突からは、

 煙は何も見えない」「クリーンセンターの煙は見える」という意見に対し、

 「高温で燃やす設備なので煙は出ないのか」

 「高温で燃やすと煙は出ないものなのか?」

 「完全燃焼すれば煙は出ないが、目に見えない細かい粒子、有害物質は出る」

 「バグフィルターは掃除機と同じで風が抜けることで灰を吸着するが、必ず破裂す 

  る。その時、一気にばい煙が飛び出す…それがもっともこわい!」

 など、木質バイオマス火力発電所の煙について、参加者による活発な意見交換が行わ

 れました。

 

* ウッドパワーが燃料材として伐採、搬入しているエリアには、「3.11福島原発事故

 由来の放射能汚染地域」が含まれる可能性がある。

 東御市は「覚書に基づく手順書」で、セシウム137の沈着地域の木材を、沈着量によ

 り、放射能表面線量測定や放射能濃度を測定するとしていますが、チェック市民会議

 は、搬入自体の禁止を求めたい。

 

*また、市は「地元羽毛山区及び市民の皆様が、安全に生活が出来ていると判断される

 まで測定を継続する」と述べて、焼却灰の放射能濃度を測定しています。

 ということは、「地元区や市民がしっかり監視していくこと」が要件となっていると

 いうことです。しっかりと、監視していきましょう!


その他

①地質学が専門の会員から、核のゴミの地層処分やNUMOの「科学的特性マップ」の

 問題点等についてわかりやすく解説したブックレット 「高レベル放射性廃棄物

 は ふやさない、埋めない』(¥100) の紹介がありました。

 

「たぁくらたぁ」(季刊マガジン)の編集者の方は、「電通が仕掛けて成功した、

 莫大な資金を使いTOKIOを起用した『原発事故は無かったことにするキャンペーン』

 を情報開示すると、真っ黒だった」

 「状況をいきなり変えることは難しいが、それぞれが課題に取り組んでいくことが

 大切である」と発言されました。(「たぁくらたぁ」HP:r.goope.jp/ta-kura-ta  )

 

 ③ 原発の高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の最終処分場選定に向けた「文献調査」

 に手を挙げた北海道寿都町に対し、応募しないよう求める署名活動(呼びかけ団体:

 生活クラブ生協・北海道、北海道平和運動フォーラム等)についての協力要請に応

 えました。

 

 ④ 7月29日の 広島地裁 『黒い雨訴訟』の判決は、(1945年当時はわからなかった) 

  「内部被ばく」の影響を認め、原告84名に被爆者健康手帳の交付をするように、被告

   である広島市及び広島県に対し命じた画期的なものです。

   この判決は、3.11福島原発事故による放射能被害のことにもつながることから、国、

   県、広島市の控訴の取り下げを求める「共同声明」が、「原発事故被害者団体連絡 

   会(ひだんれん)」「伊方原発広島裁判原告団」等によって提出されました。

 チェック市民会議は、内部被ばくの問題は重要な問題であると考え、「共同声明」

 に賛同しました。

 

*第3回(10月23日)木バスサロンは、大気中の放射性微粒子の測定=「リネン吸着測 

    定」について話し合うことを予定しています。会員の方はぜひご参加下さい。   

「北海道を核のゴミ捨て場にしないことを強く求める署名」について

 北海道の寿都町が、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の最終処分場選定に向けた「文献調査」の応募検討を進めています。

 そして、9月11日には、寿都町から40キロ離れた神恵内村の商工会が、応募検討を求める請願を神恵内村議会に提出しています。

 北海道は、1984年に幌延町への核のゴミの貯蔵施設計画誘致が表面化して以来、高レベル放射性廃棄物の最終処分場問題に脅かされ続けています。

 

 そのことに危機感を持った市民が、北海道知事に対し、以下の呼びかけ文と二項目の要請事項を掲げて、署名活動を始めました。

 

 以下、署名の呼びかけ文と要請事項です。

 

北海道知事 鈴木 直道様

     北海道を核のゴミ捨て場にしないことを強く求める署名

 

 現在、後志管内寿都町においては、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の最終処分場選定に向けた「文献調査」の応募検討を進めています。町長は「最終処分場ありきではない」としていますが、巨額の交付金と引き換えに、一度「調査」を受け入れれば途中で後戻りできないことは、電源立地の先例を見れば明らかです。特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律は、地震火山列島の日本で地層処分が可能か否かの判断基準も一切不問に付し「安全なものと見なして埋めてしまう」安全神話に基づいたずさんな法律です。活断層さえ排除せず、原子力規制委員会の審査もありません。
 このため、「文献調査」に応募すれば、ほとんどフリーパスで、概要調査地区、精密調査地区、さらには最終処分施設建設地に選定される法律構造になっており、なし崩し的に最終処分場となる危機的な状況です。寿都町による核のゴミ受け入れは、当町のみならず、ひいては北海道全体に甚大な影響を与えることから、「文献調査」への応募を行わないよう知事の働きかけが急務です。
 北海道においては、1984 年に幌延町への核のゴミの貯蔵施設計画誘致が表面化して以来、最終処分場問題に脅かされ続けています。2000 年、核のゴミは「受け入れがたい」とする北海道条例を公布。北海道、幌延町、日本原子力研究開発機構(以下、機構)の三者で、「20 年程度の研究期間」という機構の申し出のもと「放射性物質は持ち込まない、研究後は施設を解体し埋め戻す」とする協定を結びました。しかし、2019 年 8 月、突然、機構は深地層処分「研究延長」を道と幌延町に申し入れ、道による意見募集の 8 割が延長反対だったにも関わらず、12 月、知事は延長受け入れを表明しました。これは三者協定を反故にする行為に他ならず、幌延での深地層研究計画が続く限り、幌延町を含め道内が最終処分場になるのではとの強い危機感をぬぐうことはできません。
 よって、北海道知事においては、道民の生命と暮らし、食の安心・安全を守り、豊かな自然環境を次世代に引き継ぐため、核のゴミの持ち込みは「受け入れがたい」とする北海道条例を遵守し、北海道を核のゴミ捨て場にしないことを強く求め、以下要請します。

 【要請事項】

 1.寿都町に対し、核のゴミ「文献調査」応募を行わないよう求めること。

 2.幌延町での核のゴミ深地層研究の終了を日本原子力研究開発機構に求めること。

 

 【呼びかけ団体】

 生活クラブ生活協同組合・北海道、北海道平和フォーラム、核廃棄物施設誘致に

 反対する道北連絡協議会、NPO法人北海道ワーカーズ・コレクティブ連絡協議会、

 市民ネットワーク北海道

 

  第一次集約 9月30日  第二次集約 10月31日

 

 〈連絡先〉

 北海道平和運動フォーラム

 060-0004  札幌市中央区北4条西12丁目ほくろうビル

 TEL  011-231-4157  FAX 011-261-2759

 

  〈長野県の取扱団体〉

 原水爆禁止長野県協議会(長野県原水禁

 380-0838  長野市県町532-3

    電話 026-234-2116

 

 

 

木バスサロン、始めました!

 第一回木バスサロンを8月21日に東御市公民館にて行いました。 

  一回目は、「森林バイオマス燃焼による排出の影響」と「炭素会計のトリック」について考える学習会として、映画【BURNED : Are Trees the New coal?】(「燃やされる-木が石炭の代替燃料に?)(youtube.com/watch?v=fzQxLj9i4Q4) を、集まった会員たちで観ました。

 

 再生可能エネルギーのひとつとして位置付けられている木質バイオマス発電は、メガソーラーなどの問題が浮上し、太陽光発電に対する期待が低落する中、設備的安定性を持ち、FIT制度(固定価格買取制度)に支えられて売上価格も安定しているし、かつ「カーボンニュートラルだから環境にもグリーン」というふれこみが信じられ、世界的にも急増しています。

 木質燃料はこれまでも石炭との混焼に使われてきました。石炭も木質も燃焼してエネルギーを得る「火力発電」なので、そのインフラはほぼ同じです。世界的に化石燃料の評判が悪くなっている現在、今後、木質が石炭の代替燃料として、さらに増えていくことが予想されます。「カーボンニュートラルだから気候変動対策にもなる」ということで、バイオマスには各種の補助金がつくので、企業にとっては大変おいしい分野なのです。

 現に、日本のFIT法の買取価格も2017年に改正され、かつて太陽光発電の買取価格であった40円/kwが、現在は、間伐材由来燃料で、かつ2000kw未満ならばという条件つきで、木質バイオマス発電の買取価格となっています。

 アメリカやカナダ、エストニアルーマニア、東南アジアなどの森林がどんどん伐採され、ヨーロッパの木質バイオマス発電の燃料として運ばれ、海上では輸送船のラッシュまで起こっている。現在世界中に3600ヶ所ある木バス発電所がこのままの調子で増えていき、5700ヶ所になると、世界中の森林が消えてなくなるだろうと、映画は警告しています。

 果たして木質バイオマス発電は、本当にカーボンニュートラルなのでしょうか。木材を燃焼して、二酸化炭素が出ないわけがないと思うのですが。そんな一般市民の素朴な疑問に、映画『BURNED』は答えてくれます。

 この映画はアメリカの市民グループが制作しました。その中心的グループ『政策の完全性に向けたパートナーシップ』PFPI (Partnership for Policy Integrity) のリーダーは映画にも登場するメアリー・ブース博士です。

 メアリー・ブース博士は生態系科学者としての教育を受け、2010年にPFPIを設立し、バイオマスエネルギーの影響について取り組んでいます。(www.pfpi.net)

 2019年には、森林バイオマスを「ゼロカーボン」とみなしているEUに対し、バイオエネルギー訴訟を起こしています。(www.eubiomasscase.org)

 

バイオマス発電の炭素会計の落とし穴】

  「伐採時と燃焼時の両方で炭素計算すると、二重に計上することになるから」という理由で、バイオマス燃焼時には、二酸化炭素をカウントしないというルール(IPCCの決めたルール)があります。でも、実際には、森林伐採時、燃焼時のどちらでもカウントしていない、報告していないということが起こっており、木質バイオマスは、炭素計算上は「ゼロ」として報告されているそうです。

 

気候変動に関する政府間パネルIPCC) の決めたルール】

 IPCCは、バイオマス収穫による森林炭素の損失を「土地利用セクター」において計上するので、「エネルギーセクター」については、二重計上を避けるためにバイオマス由来のCO2をゼロとして計上するというアプローチを推奨しているのだそうです。

 つまり、気候変動の主な理由をCO2の排出量と考えるIPCCは、その排出がどこで行われるかを問題にします。炭素を安定的に貯蔵している森林が伐採されるとその段階で炭素が排出され、さらに炭素の吸収源を失うと考え(「土地セクター」でのマイナス)、実際の燃焼時の「エネルギーセクター」では、炭素の排出量を計上しないというルールを設けたのです。

  ただし、IPCCは次のようなコメントも出しています。「エネルギーセクターの合計にバイオエネルギー排出量を含めないというIPCCのアプローチは、バイオエネルギーの持続可能性または炭素中立(カーボンニュートラル)に関する結論として解釈されるべきではない。」(http://www.ipcc-nggip.iges.or.jp/faq/faq.html)

  つまり、「CO2排出権に係る炭素計算上は、二重計上を避けるために、エネルギーセクター=燃焼時では計上しないが、実際は燃焼時にCO2は排出されている。だから、持続可能性または炭素中立(カーボンニュートラル)に関する結論として解釈してはいけない」とも警告しているわけです。

 でも、この警告をどれだけの市民が理解できるでしょうか。金融上、炭素会計上の「ゼロカーボン」と、実際上の「ゼロカーボン」をごっちゃにして、バイオマスカーボンニュートラル再生可能エネルギーでグリーン」というイメージが先行し、また政治的、政策的にもそのイメージが利用されていっているのが現状だと思います。

 

バイオマスからの大気汚染排出】

 バイオマスの燃焼によるCO2の排出量は、石炭バーナーの150%、天然ガス設備の300~400%にも上ると、IPCCのホームページには書かれていますが、大気汚染に関するページを見ると、天然ガスよりも大気汚染度が高く、石炭に類似しているということがわかります。

 有機物を燃焼すると、粒子状物質(PM)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、二酸化硫黄(SO2)、鉛、水銀、およびその他の有害な大気汚染物質(HAP)が放出されます。

 木は長年、地中の重金属等有害物質を吸い上げており、また、2011年の原発事故以降は、森林は放射性物質のプルーム(雲)を被っているので、大気からの降り注ぎの他、その後の土壌中からの放射性物質の吸い上げもあるはずです。

 日本学術会議の2014年報告書には、「チェルノブイリの知見によると、立木の中に蓄積された放射性物質の量は、事故後10~20年後にピークを迎える」と書かれており、事故後9年半経つ現在、立木の放射性物質の量は、これからがピーク期に入ると予想されます。

 立木の放射性物質の基準量は、日本では設けられていません。燃焼を前提とする「薪」に40Bq/kg、「木炭」に280Bq/kgがあるのみです。

 木は燃焼すると、含まれる放射性物質は、100~200倍に濃縮されます。この濃縮された放射性物質が、主灰(燃え殻)と飛灰に含まれることになります。

 そして飛灰の放射性物質は、PM1レベルの放射性微粒子になって、バグフィルターを

すり抜け、大気中に排出され、浮遊することになります。

 

 IPCCのホームページの2020年5月12日公開のページ、『EU バイオマス訴訟、裁判所へのアクセス拒否』には、「訴訟が提起されて以来、バイオマス産業が与えた被害の追加の証拠が明らかになりました。米国だけでなく、ブリティッシュコロンビアの内陸の熱帯雨林エストニアルーマニアカルパティア山脈でも、木質ペレットの古い成長を記録したという新しい報告がでました。木材燃焼発電所によるものを含む大気汚染が、Covid-19への感受性を劇的に高め、・・・・」という文章があります。

  コロナウィルス、Covid-19は、肺へのダメージが大きいと言われていますので、コロナウィルスの流行がひどくなっている現在、火力発電所、クリーンセンターからの大気排出物には、ますます気を付けていかねばなりません。

 

 7月15日に本格稼働した東御市の木質バイオマス発電所の煙は、日夜、建物の陰に隠れた煙突から排出されています。

 『木質バイオマス発電チェック市民会議』は、大気の状況、排水の状況、騒音や悪臭、焼却灰の状況に関して、監視活動を継続していきます。

 

 

 

月間「むすぶ」に寄稿しました!

  自治・ひと・くらしをめぐる市民・住民運動の交流誌「月間 むすぶ」に

    東御市の木バスチェック市民会議の運動が取り上げられました。

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月間「むすぶ」No.594 (2020.7) 表紙

市民に隠されて進められてきた東御市の木質バイオマス発電に関して、市民が掴んだ情報と市民の動きを余すところなく文章化しています。ぜひお手に取って、お読みください。

ロシナンテ社の月間「むすぶ」は、1971年以来、一貫して市民運動住民運動を応援す

るために、一人ひとりが、考え、関わり合うキッカケを作ってきた交流誌です。

 

お求めは、以下のところで

 *平安堂上田店      0268-22-4545   上田市天神2-4-80

*平安堂しおだ野店    0268-29-5254 上田市神畑502-1

小諸市黎明堂書店               0267-22-0098 小諸市荒町1-6-10

*共同代表 川端眞由美     0268-63-4315

 

なお、北海道がんセンター名誉院長の西尾正道氏が、「被曝影響をフェイクサイエンスで対応する国家的犯罪」というタイトルで、トリチウム汚染水の海洋放出について書いています。シリーズ3回目の貴重な論考です。

また、最後の記事「差別が作った怪物『植松聖』面会記」は、全国検察審査会協会・東京高等裁判所管内専務理事の大谷司氏が、まゆずみただしさんというお医者さんに送った手紙です。

経済産業大臣に審査請求書を提出

                         2020年 7月 2日

 

経済産業大臣 殿

 

                          審査請求人 川端眞由美

 

             審 査 請 求 書

 

 次のとおり審査請求をいたします。

 

 審査請求人

 川端 眞由美

 

審査請求に係る処分の内容

関東経済産業局が2020年3月23日に審査請求人に対して通知した行政文書開示決定通知書(20200122公開関東第1号及び20200122公開関東第2号)について、不開示とした部分とその理由

 

 審査請求に係る処分があったことを知った年月日

   公開日 2020年4月7日

 

 審査請求の趣旨

 不開示部分のうち以下の不開示箇所に対する異議申し立て

 

 審査請求の理由

  「行政機関の保有する情報の公開に関する法」には「第一章 総則(目的)第一条 この法律は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする。」とあります。

 わたくしは第一条に則り、一人の市民として関東経済産業局に対し情報公開を請求いたしました。

 関東経済産業局が2020年3月23日20200122公開関東第1号及び20200122公開関東第2号により審査請求人に対して通知した行政文書開示決定について、「不開示とした部分とその理由」について納得できませんので、経済産業大臣に対して審査請求をいたします。

<1> 20200122公開関東第1号及び第2号で 2.不開示 とした部分とその理由(1)「使用燃料」に係る情報は、2017年11月1日付けで羽毛山区長と市長名で配布した「区民向け説明会」の案内「羽毛山区民の皆様へ」に <誘致企業の概要> 『間伐材等由来の本質バイオマス発電』を事業目的として『清水建設株式会社が設立する木質(ウッド)チップの生産及びこれを利用して発電事業を行う』と明記されており、だれもが知りうる情報として公開されております。

 当該事業について、東御市清水建設(株)が立地を申し出た2015年12月から2018年11月地元紙での公表までの3年間、市民には一切計画を説明せずに進めてきましたが、市民が2018年12月以降に行った情報開示請求により、この間のやり取りが明らかになりました。

 上記2017年羽毛山区13名の役員への説明以外にも2016年から2018年に清水建設(株)が市並びに羽毛山区役員に説明する際の資料に「間伐材等由来の木質バイオマス」の記載があるほか、清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)は自社HP等で「使用燃料」について「間伐材等由来の木質バイオマス」を広くアピールしており、2019年9月開催の地域イベント、10月以降実施している工場見学者、羽毛山区の全戸に配布したパンフレットにも同様の記載があり、だれもが知りうる情報として公開されております。

 清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)は木質バイオマス火力発電所建設計画の当初から現在に至るまで「使用燃料」を「間伐材等由来の木質バイオマス」と公言しており、関東経済産業局の「同業他社等が対抗措置を講ずるおそれ」を理由とする不開示の決定法第5条第2号イには該当しません。

 今回審査請求人が行った開示請求の「意見照会」に際し不開示を希望したことは、清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)が「再生可能エネルギー発電事業計画認定申請書」(FIT申請書類)に書いた「使用燃料」を今後変更する可能性を示唆したものと理解いたします。

 これは清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)がこれまで東御市や市民に説明してきた「間伐材等由来の木質バイオマスを使用燃料とする」という事業目的や趣旨等の基本情報が覆されることであり、関東経済産業局がそれを認めたということであれば、東御市ならびに東御市民は貴経済産業省に対し、清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)の「再生可能エネルギー発電事業計画の認定」(FIT認定)の取り消しを求めることとなります。

 東御市は、関東経済産業局が不開示とした部分を情報部分公開決定通知書(元生環第240号令和2年3月27日)開発事業(商工業施設等の用地造成)新規・変更届出書」(整理番号30-40-1)で、開示しております。

 

<2> 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(4)で不開示にした箇所について

 東御市は「土地を売却しただけ」と計画自体を市民には知らせず「事業内容は直接事業主体に問い合わせるよう」職員にも指示しております。一方、清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)は上記2017年11月の羽毛山区役員13名への説明会以外に市民への説明は一切行わず、企業の説明責任(accountability)を果たしておりません。

 「事業内容」で不開示とした部分は企業の説明責任(accountability)に関する、公益に資する情報であって、これを不開示とした決定は到底納得できません。

 特に「保守点検及び維持管理計画」(別紙)の情報を不開示にすることは「保守点検及び維持管理計画」は不十分なのではないかという市民の疑惑を招き、むしろ「当該法人の利益を害するおそれがあり」、法第5条代2号イに該当しません。これは審査請求人を含む市民がこの間東御市の誘致計画の経緯を明らかにしていった中で、羽毛山区の82%の世帯が「何も説明されていない」と「稼働反対」署名をしたことでも明らかです。

 「事業に要する費用」に関しては十分な「保守点検及び維持管理計画」がなされるかどうかを見極める一つの指標です。

 企業としての説明責任(accountability)を果たさないまま計画を進めた清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)の意向に沿って「事業内容」に関する箇所の不開示を決定した関東経済産業局は「行政機関の保有する情報の公開に関する法」の「国民に説明する責務」を否定するものであり、到底納得できません。東御市は「事業内容」に係る情報はすべて情報部分公開決定通知書(元生環第240号令和2年3月27日)「開発事業(商工業施設等の用地造成)新規・変更届出書」(整理番号30-40-1)で開示しております。

 

<3> 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(7)で不開示にした箇所について

 当該計画を東御市は一切説明せず、全て「事業主体の清水建設(株)と信州ウッドパワー(株)に説明を求めるよう」指導しており、「設備仕様」の「ボイラー組立図」「参考図」「発電機外形図」を東御市は情報部分公開決定通知書(元生環第240号令和2年3月27日)で開示しております。

 2020年1月21日行政文書開示請求の「意見照会」に際し清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)が「不開示」を希望したことは、清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)がFIT申請書類に記載した「設備仕様」がその後変更された等の可能性を示唆しているものと理解いたしました。

 審査請求人を含む市民は仮に「設備仕様」が変更された場合も含め、確認することができず、「行政機関の保有する情報の公開に関する法」第一条(目的)に基づきそのすべての情報を得る権利があると考えます。 

 

<4> 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(8)「ボイラー配置図(案)」「ボイラー配置計画図1/2(案)」「ボイラー配置計画図2/2(案)」「システムフロー図」、添付書類「配線図」に関して、上記<3>に関する箇所と同様、審査請求人を含む市民は仮に「設備仕様」が変更された場合も含め、確認することができず、「行政機関の保有する情報の公開に関する法」第一条(目的)に基づきそのすべての情報を得る権利があると考えます。 

 

<5> 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(9)(10)「系統連系に係る契約ご案内」のうち清水建設(株)の部署名、中部電力㈱の部署名について、不開示とする理由がありません。金額部分を含め、東御市は情報開示しております。「(清水建設株式会社)LCV事業部本部執行役員本部長南須原知良様」「(中部電力株式会社)上田営業所契約サービス課長箱山昌志」「工事費負担金」「2,080,574円」等はすでに公開されており法第5条第2号イに該当しません。

 

<6> 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(11)(12)「東信バイオマス発電所 事業実施体制図」における「東信バイオマス発電所」という名称は審査請求人を含む東御市民は東御市からも清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)からも何ら説明を受けておらず、認知しておりません。

 本来東御市へ立地希望する企業は、市を通して工業団地のある羽毛山区に「企業名」「事業名」を伝え、区が説明を希望した場合は区民説明会を実施し、区が立地を認めた場合、市は企業との協議や契約を行います。ところが東御市の花岡市長は清水建設(株)の前に木質バイオマス発電事業で立地を希望した企業に対し「区の反対で土地売却が出来なくなると困るので極力計画を隠して進めたい」と指示していました。<2>の羽毛山区の反対はこの公文書記録を確認したことで始まったものであり、2020年3月、花岡市長自ら事実を認めて羽毛山区で謝罪しました。しかしこうした花岡市政の下で木質バイオマス発電所建設計画を進めた清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)は、市と同様、地元市民への説明といった企業の説明責任(accountability)を一切果たさないまま木質バイオマス発電所建設計画を進めました。

 清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)が開示を拒んだ理由は市民に対する企業の説明責任(accountability)を何ら果たしてこなかったことを明らかにしたくないという身勝手な論理です。それを「当該法人の権利…その他正当な利益を害する」を不開示の理由とした20200122公開関東第1号の決定は「国民主権の理念にのっとり…国民に説明する責務が全うされるよう…公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする」とある「行政機関の保有する情報の公開に関する法」に明らかに反する、国民主権や市民の権利を否定するものです。

 「東信バイオマス発電所 事業実施体制図」について、東御市は情報部分公開決定通知書(元生環第240号令和2年3月27日)で開示しております。

 

<7> 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(14)「バイオマス燃料の調達及び仕様計画書」に係る不開示箇所は清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)の当該事業に関する基本情報であり、特に「1.国内の森林に係る木質バイオマス以外の木質バイオマス燃料の概況」を「不開示」と決定したことは、今後、清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)がFIT申請時に「使用燃料」とし、また既に<1>でも述べたように広く公言している『間伐材等由来の本質バイオマス』の「国内の森林に係る木質バイオマス」以外の木質バイオマス燃料を使用する可能性を示唆したものと理解いたします。

 そうであれば、清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)がこれまで東御市や市民に説明してきたことは覆されることとなり、東御市と市民は貴経済産業省に対し、清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)のFIT認定の取り消しを求めることとなります。

 「2.国内の森林に係る木質バイオマス燃料の概況」に関しては東御市清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)による東御市の工業団地の土地売買契約終了、火力発電所建設着工後、多くの市民が再三東御市に対し質問してきた重要な情報であり、東御市は既にその情報を情報部分公開決定通知書(元生環第240号令和2年3月27日)で開示しております。特に「燃料供給者等関係者との調整状況」について、ご説明いたします。

 2016年1月2月と清水建設(株)は「東信バイオマスプロジェクト(仮称)」名で東御市に打診したものの東御市は対応できず、「上田地域定住自立圏連絡協議会」に任せ、2016年3月と7月の2回「上田地域定住自立圏・木質バイオマスエネルギー利活用部会」で研究した経緯が残されています。

 事務局の上田市は「市内のマツクイムシ被害材に対処できるなら」と対応したものの清水建設(株)が要求する「燃料材の調達は困難」で「マツクイムシ被害材の処理は国庫補助で燃料搬出は不可能」と断り、同協議会町村も燃料材の協力を断わったため、清水建設(株)は協力依頼を「森林組合」に変更しました。

 2016年8月から2017年10月のFIT申請直前までの計5回、「東信バイオマス検討会議」という名称で清水建設(株)と上小森林組合の検討会議が持たれましたが、上小森林組合は「CD材は素材生産の15%」「マツクイムシ被害材は価格が安いと搬出できない」「森林組合ばかりにやれと言われても…」と否定的で、東御市の耕地林務係の記録には「上小森林組合との協定不調になった」と書かれています。

 2017年10月24日に清水建設(株)が経済産業大臣に申請した「再生可能エネルギー発電事業計画認定申請書」は、このように清水建設(株)の東御市における木質バイオマス火力発電所建設計画が思うように進まない状況の中で提出されました。そのことを経済産業大臣がどのように確認したのかが問われます。

 「4.燃料供給者等関係者との調整状況」「(1)燃料の安定調達」「(2)都道府県との調整」「(3)国有林との調整」「(4)林業、山村地域等への活性化の配慮」「(5)既存用途の事業者への配慮」の項目は、FIT認定申請に至る清水建設(株)の説明責任(accountability)を証明するものであって、項目を特定せずにそれぞれの調整状況を不開示としたことは、2017年の「改正FIT法に関する直前説明会 平成29年2・3月 資源エネルギー庁」で指導していることと矛盾します。ここには「認定申請情報を関係省庁・自治体に共有」「認定した事業計画の主要な情報を広く一般に公表」とあり、2018年9月4日にFIT認定を受けた清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)の認定申請情報は広く一般に公表されるべきものと考えます。

 「(6)地域社会に対する対応」の項目の「不開示」は上記「改正FIT法に関する直前説明会」にある「事業計画策定ガイドライン」に「説明会の開催など、地域住民との適切なコミュニケーションを図る」と明記されていることと相反するのみならず、今回不開示とされた箇所には看過できない重大な問題と思われる内容が記述されていました。

 ➀市町村:の箇所は上記<2>等で述べた通り「東御市は土地を提供するだけ」で、土地を買ってくれる「清水建設(株)がFITという、国の大変な認可を受けるまで極秘にしたことは当然」という認識で、そこには市民への説明責任(accountability)など全くありません。

 ➁近隣住民:の箇所はFIT認定の申請を行う清水建設(株)がいつどのように「地域住民」に説明し、住民からどのような反応があったのかを記入する欄ですから審査請求人を含む「地域住民」はその情報を知る権利があることは当然かつ記載内容が事実かどうかを確認できる立場です。

 清水建設(株)が「地域住民に説明した」とする2016年3月15日は、東御市商工観光課の記録では羽毛山区長と会計の2名に「長野トヨタ自動車(株)との契約」の説明を行った上で「羽毛山工業団地1-2番区画への立地を希望している清水建設の紹介」を行ったとあり、「地域住民に説明」はしていません。

 二つ目の2017年9月7日は商工観光課の課長ら職員3名が羽毛山区長一人に「2番区画の長野トヨタの建築状況」を説明した後「1-2番区画の現状と今後のスケジュール(案)」を「清水建設(株)が提供した資料」に沿って説明した日付で、ここに清水建設(株)はおりません。

 尚、清水建設(株)がFIT申請書類に添付した「事業計画確認書」(2016年4月9日)は羽毛山区長が「清水建設(株)のボーリング調査」の承諾をしたとされる書類ですが、東御市商工観光課の記録には区長が「トヨタの土地のボーリング」と認識していたことが記されています。

 清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)が今回開示請求の「意見照会」に際し不開示を希望したのは、「地域住民」への説明責任(accountability)どころか、「区の反対で土地売却が出来なくなると困るので極力計画を隠して進めたい」地元自治体に「地域住民」への対応を任せた、企業としての誇り(pride)すらない姿を開示されては困るという利己的な理由からです。

 20200122公開関東第1号が不開示を決定した理由としている「設備投資計画、用地取得計画その他運営上の方針が明らかにされ、又は具体的に推測される情報であるため、公にすることにより、同業他社等が対抗措置を講じるおそれがある等、当該法人等の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれ」(法第5条第2号)は全く該当しないことは、東御市情報部分公開決定通知書(元生環第240号令和2年3月27日)で明らかです。どのような理由で不開示と決定したのかを、あらためてご説明頂きたいと思います。

 長野県林務部は「長野県は放射性物質汚染対処特別法に基づく『汚染状況重点調査地域』の指定を受けていないものの『当面の間、文部科学省による航空機モニタリングの測定結果において、地表面へのセシウム134、137の沈着量の合計が10kBq/㎡を上回る箇所のある御代田町軽井沢町北相木村および佐久市佐久穂町千曲川以東の地域の原木で薪や木炭を生産し、流通・使用する場合は放射性セシウム測定を行い、安全を確認して下さい』と指導しています。

 清水建設(株)は上小森林組合からの燃料材の調達が困難になり、調達先を佐久地域の森林組合に変更しました。この地域の木材を燃料とした場合排煙や焼却灰から基準を上回る放射性物質が検出される可能性があることを承知している清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)が今回開示請求の「意見照会」に際し不開示を希望したことは、元々計画を予定していた東信地域の森林組合からの燃料材の調達が困難になり、燃料材として使用した場合排煙や焼却灰から基準を上回る放射性物質が検出される可能性がある御代田町軽井沢町北相木村および佐久市佐久穂町千曲川以東の地域の事業者や森林組合からしか燃料材を調達できない事実を、地域住民には知らせたくないという、企業の説明責任(accountability)を一切果たさない態度であり、到底認めることは出来ません。

 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(14)「燃料供給者等関係者との調整状況」や「地域社会に対する対応」の箇所を「不開示」としたことは経済産業省が企業の説明責任(accountability)は必要ないと考えているということになります。特に汚染木の燃焼に関わる情報の不開示は「国民の生命、健康、生活又は財産を保護するために公にすることが必要であると認められる」ため、審査請求人を含む市民は到底納得できません。経済産業省のFIT制度の目的や趣旨、公益性はどのように担保されるのかをご説明ください。

 

<8> 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(15)「バイオマス比率計算方法説明書」は既に開示を受けた東御市情報部分公開決定通知書(元生環第240号令和2年3月27日)開発事業(商工業施設等の用地造成)新規・変更届出書」(整理番号30-40-1)に「使用燃料は、単一の発電区分のバイオマス燃料のみであるため、バイオマス比率は100%」とあります。

 今回の開示請求の「意見照会」に際し清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)が「不開示」を要望したことは、清水建設(株) 並びに信州ウッドパワー(株)はFIT申請時に明記した「バイオマス燃料のみ」とする基本情報を、今後変更する可能性があることを示唆していると理解いたしました。

 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分は「行政機関の保有する情報の公開に関する法」の定める「公正で民主的な行政の推進に資する」情報であり、不開示の決定は「行政機関の保有する情報の公開に関する法」の目的、理念とは相反する、不当な決定だと言わざるをえません。

 

<9> 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(16)「社内体制」について不開示にする理由がありません。夫々の企業がどのような社内体制を取ろうが自由であり、同業他社等が対抗措置云々は理解できません。東御市は情報部分公開決定通知書(元生環第240号令和2年3月27日)で開示しております。

 

<10> 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(17)協定書、意向書の「契約の相手方」および「契約内容」は、当該事業が周辺市町村の地域資源や産業に及ぼす影響の見地から広く審査請求人を含む市民に公開すべき情報です。事業主体である清水建設(株) 並びに信州ウッドパワー(株)を含む、協定書、意向書の契約の相手方企業や団体等には企業の説明責任があり、FIT申請書類に記された情報を不開示にする理由はありません。

 上記<7>の「⒉.国内の森林に係る木質バイオマス燃料の概況」に関して、上小森林組合との協定が不調になった清水建設(株)が燃料材の調達先を「この地域の木材を燃料とした場合排煙や焼却灰から基準を上回る放射性物質が検出される可能性がある」佐久地域の森林組合に変更したことをお示ししました。

 清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)がFIT申請書類に記入し、今回不開示とした「契約の相手方」および「契約内容」の情報は、今後稼働予定の木質バイオマス発電所の燃料材を調達する企業の説明責任(accountability)に関する情報であって、その説明責任(accountability)は清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)にあること、さらに清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)のFIT認定を行った経済産業大臣にもあることは明らかです。

 これを「同業他社等が対抗措置を講ずる」といった理由で不開示とした20200122公開関東第1号決定は「国民に対する説明責任(accountability)」を果たさないものであり、到底容認できません。

 東御市は情報部分公開決定通知書(元生環第240号令和2年3月27日)で開示しております。

 

<11> 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(18)清水建設(株)担当者の「所属、役職、氏名」を不開示にする理由はなく、東御市は情報部分公開決定通知書(元生環第240号令和2年3月27日)で開示しております。

 

<12> 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(19)「東信バイオマス チップ製造について」の記載内容は、2017年11月の「区民向け説明会」の案内<誘致企業の概要> に『間伐材等由来の本質バイオマス発電』を事業目的として『清水建設株式会社が設立する木質(ウッド)チップの生産及びこれを利用して発電事業を行う』と明記されております。

 今回の開示請求の「意見照会」に際し清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)が「不開示」を希望し、20200122公開関東第1号が「不開示」を決定した「発電事業者にチップを納入する加工事業者」の箇所には「100%自社(信州ウッドチップ(株))」と記されていることが東御市の情報部分公開決定通知書(元生環第240号令和2年3月27日)で明らかになっております。

 一方、これも今回の開示請求の「意見照会」に清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)が「不開示」を希望し、20200122公開関東第1号が「不開示」決定した「国内の森林に係る木質バイオマス燃料の概況」の「4.燃料供給者等関係者との調整状況」「(5)既存用途の事業者への配慮」の箇所には「生産調整時などにチップ材購入を希望する(株)コバリンに対し清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)は「チップ材購入を検討」と記されており、この箇所が明らかになることで「100%自社(信州ウッドチップ(株))」と矛盾することから「不開示」を希望したものです。20200122公開関東第1号が不開示の理由とする「同業他社が…当該法人等の権利…」は全く根拠がないどころか「企業にとって開示されると不都合な情報」を不開示としており、清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)が一貫して東御市や市民に説明し、FIT申請書類にも明記された内容を変更する可能性を示唆したものだと受け取りました。

 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分(19)の不開示の決定は到底「行政機関の保有する情報の公開に関する法」の「公正で民主的な行政の推進に資する国民主権に基づく市民の権利」を保障するものではなく、関東経済産業局の不開示の決定は不当なものと考えます。

 

<13> 20200122公開関東第1号2.不開示とした部分 (21)「燃料情報」については、<1>及び<7>(14)で不開示とした箇所に関して繰り返し述べた通り、清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)の当該事業に関する基本的な情報であり、清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)がFIT認定申請書類に明記した情報です。

 今回の開示請求の「意見照会」に際し清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)が「燃料名 木質チップ(間伐材等由来)」の「不開示」を希望したのであれば、清水建設(株)並びに信州ウッドパワー(株)は「使用燃料」を今後変更する可能性を示唆したと理解いたします。FIT認定を所管する経済産業省・関東経済産業局が、清水建設(株)及び信州ウッドパワー(株)がFIT認定申請時に提出した事業の基本情報を「不開示」とするのであれば、経済産業省のFIT認定制度そのものの目的が問われることになります。

                     

追記1.関東経済産業局情報開示度及び地方公共団体情報開示度について

 審査請求人が2020年1月22日関東経済産業局に対し行った「清水建設(株)ならびに信州ウッドパワー(株)の「再生可能エネルギー発電事業計画認定申請書」(FIT申請書類)の開示請求に対する関東経済産業局の行政文書開示決定で不開示とされた部分は、東御市に対し行った開示請求により開示された清水建設(株)ならびに信州ウッドパワー(株)の書類と重なるものがあり、その結果、関東経済産業局の行政文書開示決定で不開示とされた部分を含む開示文書と、東御市の開示公文書を比較することとなりました。

 

追記2.情報開示事務に係る内規等の基準の明示について

 関東経済産業局が2020年3月23日 20200122公開関東第1号及び20200122第2号により審査請求人に対して通知した行政文書開示決定について不開示とした部分とその理由は、経済産業大臣が「公にすることにより」生ずる「おそれ」を回避するためではないかと思われます。

 こうした判断は狭い企業利益のみを優先させており、本来企業が社会に果たしうる社会的貢献といった視点は全くありません。こうした関東経済産業局の決定は公益に資することはなく、国民主権に基づき定められた「行政機関の保有する情報の公開に関する法」の精神に反する、不当なものです。

 行政文書の開示請求に対する開示・不開示の判断が地方公共団体と国で異なることは、ダブルスタンダードであり、国民に不利益を与えることとなります。

 情報を公にすることで生じる責任を免れたいという所管・監督省庁の予防的基準で開示・不開示が行われていると思われます。公序良俗に基づく開示基準への改善を求めます。

 特に法第5条「行政文書の開示義務」の執行に係る内規等の基準を情報公開窓口が示されないこと(2020年5月1日関東経産局情報公開窓口担当者発言)は、何が開示されなかったのかを知りえない中で異議申し立てを行う審査請求人の審査請求書作成に著しい困難を強います。

 開示・不開示の内規等の基準の明示を求めます。

 

追記3.20200122公開関東第1号及び20200122公開関東第2号の再開示請求について

 今回の「清水建設(株)ならびに信州ウッドパワー(株)のFIT申請に係る書類一式」に係る開示に関しては、東御市が開示と判断した情報は経済産業省においても開示されることは当然ですので、改めて関東経済産業局の2020年3月23日20200122公開関東第1号及び20200122第2号行政文書開示決定について、上記述べた内容に基づき、開示することを求めます。

 

                                  以 上

 

添付資料

東御市情報部分公開決定通知書元商第25号令和元年6月28日⑤羽毛山区長、役員への事業計画、スケジュール等の説明等情報周知(平成27年12月以降6回、他関連説明)に係る実施伺い、説明資料、参加者簿、議事録等記録及び実施復命等一式

 

①平成27年12月15日 木質バイオマス事業の羽毛山区長への説明について

②平成28年1月14日 羽毛山工業団地に係る説明会について

③平成28年3月15日 羽毛山工業団地1-2番区画における羽毛山区及び清水建設との協議について

④平成28年4月9日 羽毛山工業団地1-2番区画における羽毛山区との協議について(ボーリング調査)

⑤平成29年9月7日 羽毛山工業団地に係る羽毛山区との会議

⑥平成29年9月19日 羽毛山工業団地1-2番区画バイオマス発電事業誘致に向けた羽毛山区への回覧文の配布について

木バスニュース6号より 羽毛山区は、稼働反対が第一です 

       羽毛山区は、稼働反対が第一です              

                             羽毛山区 住民

 

 羽毛山区の工業団地に真っ黒な建物と銀色に光る焼却炉が出来上がり、近く稼働と。市の南斜面側からよく見えるこの建物が何であるのか知っている市民は、今もってわずかです。「あの建物は何?」と多くの市民が言っているのです。というのは着工直前まで隠されて、市民は「火力発電所」とは知らなかったのです。

 ようやく新聞で報道され、それを知った市民(女性4人)が木質バイオマス発電の勉強会を立ち上げ、東御市民のみでなく、上田市小諸市等に広がり、市に説明を求めました。でも市側は拒否。

 地元である羽毛山区もこれはおかしいと感じ始め、住民85%の反対署名を集めたところ、何と、建物が出来上がった今年3月8日、初めて、羽毛山区の住民だけに限りということで、市から説明がありました。

 

 何年か前、諏訪方面の工業薬品会社を区の工業団地に誘致したいという話があり、羽毛山区の一戸に一人が出席の下、会社より説明を受けました。ところが薬品製造の過程で煙を出すことがわかり、区民は子孫にきれいな空気の下で生活させたいと、立地反対が多数でこの企業は来られなくなった経過があります。

 ところが2年ほど前、工業団地売買契約成立が市報で明らかになったのです。何と、清水建設が親会社の火力発電だったのです。世界的に火力発電が問題になっているこの期に及んでです。

 

 5年ほど前の議事録から「この区画は以前他企業が立地しようとしたが区民の反対で誘致できなかった。区民への説明会開催には非常に慎重に扱った方が良いため、むやみに話をせずに進めたい」という文章が出てきたのです。これが市長から出た言葉だったのです。もう怒り心頭です。

 「区民・市民に納得してもらうまでよく説明せよ」が、市長が言うべき言葉ではないでしょうか。

 市議にも、市の職員の中にも、「こんな大きな仕事を市民、区民に知らせないで水面下で進めることはいけない」という人は一人もいなかったのでしょうか。

 羽毛山区民はすべての企業に反対しているわけではないのです。すでに3社の企業が来て稼働しています。

 木質火力発電の話は飯山市では断わったのに、東御市は引き受けたということです。

 

 この火力発電は近隣のみの山の木をチップにして今後20年間昼夜燃やし続けるそうですが、果たして木材は足りるのでしょうか。元々火力発電は東日本大震災の汚染された木材等を燃やすため、全国300ヶ所に作る予定で計画され、すでに東北地方では何基もでき、住民の反対が大きくなっています。放射能汚染地域からは持ち込まないと言っていますが、県内にも汚染地区はあちこちにあります。

 

 羽毛山地区は、現在まで50年以上も煙を出し続けているゴミ焼却場と、火力発電所に挟まれました。西風の時はもろに羽毛山住民は煙を吸うのです。そして農地にも化学物質、放射能は堆積します。

 市長はじめ職員、議員は市民の健康や安心安全な食物をどう考えているのでしょう。市の農産品のクルミ、ワイン、北御牧自慢の米や白土芋にも、煙はその日の風によりどこまでも行くことを考えないのでしょうか。

 

 羽毛山区民は、最近会社と市で結んだ覚書に対して色々条件を付けた要望を行なっていますが、覚書以前に、羽毛山区としては、稼働反対が第一です。

 本当に住民として、これから何十年も、二カ所もの煙を吸うかと思うと本当に不安です。 

 

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羽毛山地区に並ぶ火力発電反対の立て看板

 

  木バスニュース6号から わが身にも街にも入れるな放射能

             

      わが身にも街にも入れるな放射能                  

                                                                                                     

                            今村輝夫(共同代表)

  2019年4月上旬、隣人より「木質バイオマス発電について学びましょう」の案内を戴き、近くに発電所が出来るとの情報で、バイオマス発電そのものに全く知識が無く、先ずは参加して見よう程度の気持ちで、近所のM氏と参加した。しかし、帰る時点では、全く無縁と考えていた「放射能」が身にせまる問題として進行している事実を知ることになった。

 

 私の住む八重原地区・芸術むら区と隣の白樺区は2003年(合併前の旧北御牧村時代)、隣接地に上田市のゴミ焼却場建設計画が起こった際、北御牧村村議会の反対決議を大きな後ろ盾として、区民一同となって建設反対運動を展開、建設計画を撃退したことを思い出した。本件も八重原のみならず、北御牧地区の環境問題と認識し、大地の汚染阻止、子供達の健康を守るため、「木質バイオマス発電を学ぶ会」に入会し、稼働阻止への活動に参加を決意した。

  学びを深める活動の中で、無関心であったチェルノブイリの事故及び福島東電原発事故による放射能問題の大きさについて、知ることができた。そしてゼネコン清水建設東日本大震災福島原発事故との関係性を知ると、次第に東御市も福島の惨禍に巻き込まれて行くのを感じた。

 また、発電所建設経過についても、用地売却及び建設承認の過程において、手続きの不透明性、市民不在の推進、木質バイオマス発電についての知識不十分な中、市の強引な推進に怒りが沸き上がるのを覚え、早速八重原住人に知らせるべく、ビラの作成、投げ込みに取り組むと共に、市及び花岡市長へ木質バイオマス発電所建設の市民説明会を求める運動の展開に取り組んだが、拒否の回答を受けた。

  学びを深めると共に疑惑と不信が更に深まり、「学ぶ会」の署名活動に参加。八重原住民とりわけ、白樺区、芸術むら区を中心に各戸の扉をたたき、木質バイオマス発電所建設への市の姿勢、市民不在の推進、学び得た放射能の危険性と清水建設の背景、運動取り組みの意義重要性を訴え、協力と支援を求める活動を展開。1500余名の署名を掲げて再度の市民説明会の開催要求を行なったが、花岡市長は市民の声をも無視、かたくなに拒否の態度を貫いた。

  2度の市民説明会開催要求について拒否の態度を貫く市長に対してますます疑惑が深まる中、この状況を市民に知らせるべく、また郡山市での学習会に参加して「ちくりん舎」の活動や、原発被災地での放射能に苦しむ現況、放射能汚染に苦しむ同胞の活動、フレコンパックに詰められ山積みされた汚染ゴミの実態など目の前にして、身に迫る体験を一人でも多くの市民に知らせるべく、M氏と情報ビラを作成し、移住者の多い白樺区、芸術むら区と上八重原地区にビラを入れた。

 花岡市長の地元の田中地区(商店街と住宅地)には、村出身で上田に住むS氏が数回のビラ入れを買って出た。

 羽毛山地区の活動を支援したく、わたし共のビラ2点を提供して連携を深めた。

 10月の「ちくりん舎」青木氏の講演会の案内は、中八重原地区へもと300部を作成し、ポスティングを行ったが、絶えず「もっと多くの人に」と思いながら、拡大不足の反省が残った。

 

 リネン検査の稼働前データ収集には、八重原2Km地点(M氏の畑)と4Km地点(中八重原)の2ヵ所を担当し、その後発電所直下の丸子塩川地点などにも場所提供の承諾を得るなどした。

 今後も監視、検査体制に協力して戦いの一翼を担いたい。