木質バイオマス火力発電所試運転に対する声明
2020年6月12日
木質バイオマス発電チェック市民会議
共同代表 川端 眞由美
信州ウッドパワー㈱による火力発電所試運転に対する声明
及び東御市と信州ウッドパワー㈱「覚書」締結に対する要求
はじめに
信州ウッドパワー㈱は2020年6月11日試験運転を開始した。東御市は5月28日、「木質バイオマス発電所稼働に伴う環境保全に関する協定書および覚書」を市ホームページに市民がたどり着けない様態でアップした。これでは市民に対して説明したことにはならない。昨年から木質バイオマス発電チェック市民会議は説明を求め続けてきたが、いまに至るも東御市と信州ウッドパワー㈱及び清水建設㈱は説明責任を果たしたことはない。
「東御市環境をよくする条例」は火力発電所を想定していない。このことは同第2条事業者との「特定事業または開発事業」「協定書第10条に基づく協議事項」を精査すれば明らかである。2018年11月19日締結「協定書」は一般企業における「遵守の義務」(協定書第2条)にとどまる。「公害等の発生防止」(同条)に十分ではないと東御市が認めたため、2020年5月25日に「覚書」を締結したのである。
1 覚書(「木質バイオマス燃料」)に対する要求について
「覚書」「別表第1」「木質バイオマス燃料に係る放射能対応措置」「木質バイオマス燃料(1)」について、表面線量率の測定は意味をなさない。このため「覚書2」のトレーサビリティーシステムにより搬出地が特定された木質バイオマス燃料の放射能物質濃度を測定し公表することを求める。東御市内の表面線量率0.04μSv(マイクロシーベルト)という周辺立木の放射能物質濃度の測定値の公表を求める。
放射能物質濃度の判定基準値の公表を求める。搬出地特定の網目単位の公表を求める。放射能物質濃度の測定の継続を求める。ちなみに「事業等の概要」では「定期的に測定し、放射性濃度を公表する」としており「覚書」と齟齬がある。
「覚書」「別表第1」「木質バイオマス燃料に係る放射能対応措置」「木質バイオマス燃料(2)敷地境界における空間放射線量率を測定」について、測定の継続を求める。
2 覚書(「焼却灰」)に対する要求について
「覚書」「別表第1」「木質バイオマス燃料に係る放射能対応措置」「焼却灰」について、表面線量率の測定は意味をなさない。信州ウッドパワー㈱火力発電所は一般廃棄物焼却施設に該当しない。また産業廃棄物焼却施設に該当しない。よって「一般廃棄物処理施設における放射性物質のモニタリングについて」(長野県環境部)を根拠とした測定基準値500Bq/kgの撤回を求める。「公害基準のしおり」(長野県環境部水大気環境課)「放射能に係る基準等」に基づく「廃棄物」の「再生利用」(100Bq/kg以下、400Bq/kg以下)「処分」(8,000Bq/kg以下、超)を求める。
表面線量率の測定は意味をなさない。よって換算による放射性物質濃度は管理の名に値しない。「主灰」及び「飛灰」の放射性物質濃度の測定を求める。「主灰」「飛灰」の放射能物質濃度の測定の継続を求める。
3 覚書(「飛灰」「PM2.5」)に対する要求について
「覚書」「別表第2」「大気汚染防止対策に係る措置」について、「へパフィルター」に比して「高性能の集じん装置」とは言えない「バグフィルター」ではPM2.5は完全に捕捉できない。「飛灰」(PM2.5)の飛散は防止できない。PM2.5に付着したセシウム137吸引による内部被曝の懸念を払拭できない。大気状態検査の継続を求める。
4 覚書(水質等)に対する要求について
「覚書」「別表第3」「水質汚濁防止対策に係る措置」について、「必要項目」の特定と公表を要求する。測定頻度の確定と公表を要求する。測定の継続を求める。
5 覚書不足項目に対する要求について
「排出側溝水温」37℃(平成30年8月29日木質バイオマス施設説明記録)及び「排出ガス温度」172℃(受理平成30年10月29日特定事業届出書附表4)について測定とその環境影響調査を求める。「覚書」は2019年11月25日に木質バイオマス発電チェック市民会議が要望した項目を裏切るものである。ここで再度公害防止に係る「監視」項目(上記1~4、新規5)を要望として掲げた。
6 覚書は東御市と信州ウッドパワー㈱の2者協定であることについて
2019年12月末、北御牧地区羽毛山区において82%の比率で稼働反対の署名が集められた。羽毛山区は、2020年3月8日東御市による羽毛山区説明会を経て「覚書」の当事者とならなかった。覚書は東御市が望んだ地元が参加した3者ではなく2者協定である。覚書は、火力発電所反対を表明した地元を無視した稼働を前提としたものである。
7 環境をよくする条例の改正について
木質バイオマス発電チェック市民会議は3月、東御市長選挙立候補予定者及び東御市議会議員に公開質問を行った。市議会議員等の「環境をよくする条例」「協定書」と条例は「火力発電所を想定」しているかという回答に揺らぎが確認された。このため東御市と東御市議会に対して「東御市議会は東御市環境をよくする条例を火力発電所を想定して改正すること」など4点を申し入れた。
おわりに
私たちは、木質バイオマス火力発電所が招来するであろう「想定外の事態」の「予見可能性」を指摘してきた。すでに東信地域(軽井沢・御代田)の立木及び灰の放射性物質濃度の測定を行った。また稼働前の基準値を得るため10か所で「リネン吸着法検査」を実施した。16,200Nm3(ノルマルリューベ)/時の排ガス量、59,000t/年のCO2(二酸化炭素)を排出する火力発電所が環境に影響を与えないはずがない。今後も火力発電所の環境負荷が及ぶ関係地元地区市民とともに木質バイオマス火力発電所を誘致した自治体東御市及び信州ウッドパワー㈱(清水建設㈱)に「絶対的な安全性の確保」について説明を求めたい。ここに、木質バイオマス発電チェック市民会議は公害防止について「監視」するという東御市を「監視」していくことを表明する。
以 上
バイオマス火力発電所試運転の開始に対して抗議します!
魚も頭から腐るのか!?
自粛中の高齢者
最近の国会答弁で、「モリカケ」問題、それに関わる財務省の「改ざん」自殺、若い女性従業員を自殺に追いやったブラック企業「電通」を使う霞ケ関、これらに関する問題に対して、野党議員は「魚は頭から腐る」と政府を批判した。
誰が「頭」なのか? この腐敗菌は伝染するらしい。東御市にも伝染している!?
東御市全体、いや近隣市町村にも煙が到達する信州ウッドパワー(株)の木バス発電所がもうすぐ稼働する!
安全な間伐由来の木材を燃料とするから大丈夫と言い、
「市民説明会はしない!」と、2度も拒否した頭。
しかし市職員の中には「何とかしなければ」と考える人がいる。「闇夜の光」。
長野県HPで、東信の木材は2011.3.11東電原発爆発事故で汚染されている、
山菜、きのこは食べないで!
里山の木は「まきストーブには不向きです」と、県民に知らせているのに。
更に信州WPの親会社清水建設は、福島除染事業の請負企業クラスターゼネコン。
子どもたちにおまかせ大借金の山のプール問題など、無関心な東御市民の私の体も腐り始めているのか!?
信州ウッドパワー=清水建設は、2020年6月11日に、東御市木質バイオマス火力発電所の試運転を開始しました。
5月25日に、東御市と信州ウッドパワーとの二者間で「木質バイオマス発電所稼働に伴う環境保全に関する協定書および覚書」を締結し、5月28日にホームページにアップしましたが、そのホームページに市民がなかなかたどり着けないような載せ方をしました。 チェック市民会議は、東御市と信州ウッドパワー(株)=清水建設(株)に対し、市民説明会を開くようにと、一年間ずっと要求し続けてきました。
「環境保全に関する協定書および覚書」と銘打っていますが、そのもととなる「東御市環境をよくする条例」自体が火力発電所を想定していません。これでは環境保全は望むべくもありません。
チェック市民会議は、この一方的な試運転開始に対し、抗議の声明を発表します。
東御市長と東御市議会議長に「公開質問状の結果を報告」(申し入れ)しました!
公開質問状の回答を得て、「市議会議員もよくわかってない!」ということが、
よ~くわかりました!
木質バイオマス火力発電所について、東御市長選挙立候補予定者及び東御市議会議員に対して行った公開質問状の結果については、先にご報告しました。
「議員さんもよくわかっていないことがよくわかった」 公開質問状の回答をみんなで読んだとき、ある会員がつぶやいた言葉です。
東御市議会議員の方たちの認識を総合すると、木質バイオマス火力発電所は「はじめてのことで心配」だけれど、「法に基づき適切に処理されているもの」だろうし、『東御市環境をよくする条例』を遵守するという「協定書に基づき対応がなされる」のだろうから大丈夫ではないかというものでした。
私たちは公開質問状で、木質バイオマス火力発電所が招来するであろう「想定外の事態」の「予見可能性」を指摘して、何項目かの質問をしました。
市議会議員の皆さんは、たとえば空冷式冷却システムから出る排煙が高温であること、チップ工場や発電所タービンから出る騒音がかなりのものであること、国と長野県による航空機モニタリングで明らかとなっている放射能汚染地帯が含まれる地域からも燃料材が供出される可能性があること、放射性物質が濃縮される焼却灰や大気中に排出される微小粒子物質(PM2.5)の危険性などについては認識していないことがわかりました。
『東御市環境をよくする条例』について「再生可能エネルギー電気事業はH26年に加えられたが、当時問題が出始めた太陽光について対応した」と、回答に書いた議員がいました。このことから私たちは、木質バイオマス火力発電所が『東御市環境をよくする条例』の適用範囲外であることを確信しました。
実際に信州ウッドパワー㈱の「再生可能エネルギー発電事業に係る関係法令手続状況報告書」では「東御市環境をよくする条例 該当 無」と記載されています。
また『大気汚染防止法』、『騒音・振動規制法』、『廃棄物処理法』さらには『放射性物質汚染対処特措法』の適用についても明確ではないことを確認しました。
市民に対する説明についての回答では、市議会議員の皆さんは、地元の範囲の考え方も、説明の度合いも、評価もバラバラで、「市民説明会の開催」についても揺らぎが見られました。
私たちは、木質バイオマス火力発電所を誘致した東御市と、事業者の信州ウッドパワー㈱に対し、今後も火力発電所の環境負荷が及ぶ関係地元・地区市民とともに、「絶対的な安全性の確保」についての説明を求めていきたいと考えています。
東御市長と東御市議会議長に
「公開質問状の結果を報告」(申し入れ)しました!
4月6日、木質バイオマス発電チェック市民会議は、公開質問状の回答結果をもとに、東御市長及び東御市議会議長に以下の内容を申し入れしました。
①東御市及び信州ウッドパワー㈱は市民説明会を開催すること。
②環境対策係は木質バイオマス発電について、市議会議員に統一した説明を行うこと。
③『東御市環境をよくする条例』は火力発電所を想定していないため、環境対策係は『特定事業届出及び開発事業届出』の不備を検討すること。
④東御市議会は『東御市環境をよくする条例』を火力発電所を想定して改正すること。
聞いて下さい、わたしの声
今、私が住んでいる地区は不安を抱えています。
なぜなら、住民の家々の裏には現在、『市の焼却場』があり、更に今年、
民家のすぐ前に『木質バイオマス火力発電所』が稼働されようとしている
からです。
CO2削減と言われている今、なぜわざわざ民家のそばで、昼夜問わず、
木材を燃やし続けなければならないのか?
疑問と不安ばかりです・・・
これから何十年もの間、二つの施設から出る煙の狭間で息をしていかな
ければならない子どもたちや孫たちのことを考えると、胸が痛みます。
今を生きる大人として、残していかなければならないものとは、一体
何なのでしょうか?
私が嫁いだ四十数年前は、夏は蛍が飛び交い、冬の空はどこまでも冷たく
星が瞬き、千曲川は透き通り、奇形の鮎などはいませんでした。
美しい日本の宝物がたくさん壊されていくことを、このまま目を閉じて、
耳をふさいで生きていてよいものでしょうか。
駄目なものは、ダメ! と、言える気持ちを持ち続けたいと思っています
・・・が、今の世の中、そういう生き方は、悲しいかな本当に難しいように
感じます。
しかし、『がんばれ、自分!』と、言い聞かせる毎日です。
公開質問状の回答を分析する
【木質バイオマス発電所に関する公開質問の結果について(20.03.29)】
木質バイオマス発電チェック市民会議
はじめに
木質バイオマス発電チェック市民会議は、羽毛山工業団地に建設中の木質バイオマス発電所について、東御市長選挙立候補予定者及び東御市議会議員に公開質問をした。2020年3月11日に配布し、25日までに回答を依頼した。真摯に回答していただいた方々に感謝したい。
(1)回答数などについて
1)東御市長立候補予定者
東御市長立候補予定者については花岡利夫氏から回答があり、若林幹雄氏からは回答がなかった。花岡利夫氏は質問項目には答えない形で回答を寄せた。木質バイオマス発電は経済産業省の認可事業であり、各関係法令及び基準、条例並びに協定を遵守しながら事業展開するから心配は当たらないとしている。若林立候補予定者の見解は不明である。
回答で選択肢を選択せず自由意見を述べるケースが見られた。「ア、大いに心配」であるから「検証が必要」であるのか「イ、多少心配」であるから「検証が必要」であるのかという例である。この点、推測をせず無選択として分類することとした。
2)東御市議会議員
議員総数16名中回答者は6名である。回答率は37.5%である。
(2)質問に対する回答について
1)火事、爆発等の事故による被害
「協定に基づき対応と認識している」(F)、「万全を期して事業」(B)は希望として、
「ウ、心配していない」のであるが、「はじめてのことで心配」(E)は、東御市環境をよくする条例は「火力発電所を想定していない」という率直な表明であると私たちは考える。
2)ダイオキシン等有害物質を含有するPM2.5(微小粒子状物質)放出による健康被害
「大気汚染防止法に基づく」(F)「高性能バグフィルターを168基つけ排ガス基準よりはるかに抑制」(B)(E)で「ウ、心配していない」。しかし「PM2.5に関して、県内12か所で常時監視している。環境基準(長期、短期)、注意喚起基準はあるが、局所的な大気汚染評価は難しい」ので「イ、多少心配」(A)していることに着目したい。また、ろ過式集じん装置(バグフィルター)は不十分である点は認識されていない。
3)各種薬品を含む排水・排液による千曲川汚染・生態系破壊
「河川管理者の了解」(F)、「上田建設事務所及び県環境課も承知」(B)と、「ウ、心配していない」が、「定期的に測定し公表」(C)もある。この点「エ、わからない」「人体に有害な物質を含むものは使用しないと説明があったと記憶、モニタリングなどたくさん行ってほしい」(E)を重視したい。鉛、ヒ素及びその化合物等、銅、亜鉛含有物等は認識されていない。
4)高温排水・排液や空冷装置の排熱による水温・気温の上昇
「ウ、心配していない」「環境保全に努めるとしている」(B)が、同じく「協定により責任は明確」(F)としているが、「エ、わからない」を選択している。無選択の回答は「検証が必要」としている。排出ガス温度172℃、排水側溝排水37℃は認識されていない。
5)設備へ大量の水を供給するために水資源に及ぼす影響(渇水など)
全回答が「ウ、心配していない」である。「水量は1日あたり67m3。水源水量の半分程度」(B)は、市水道局の説明である。
6)発電所と木質チップ工場の稼働時に発生する騒音について
環境をよくする条例に騒音の項目があるが、「エ、わからない」が多数の回答であることは注目に値する。「工場地域の基準に則っているはず」(A)、環境基準を守ることが必要(C)とあり、信州ウッドチップ㈱木質チップ製造プラント機能は「東54、西65、南69、北64dB」で届出されている点は、環境対策係から説明されていない。
7)不適切な森林伐採により自然災害(台風時の土砂崩れ等)が発生しやすい状況となる
「地域森林組合等と充分に調整」(F)、「森を守るために間伐材」(E)、「東信地域の間伐材など搬入が限定」「木材の出所が担保される」(B)と「ウ、心配していない」、「森林計画に基づいた伐採」(A)「区域森林計画にもとづき県の許可による計画的伐採」(C)と「ウ、心配していない」。信州ウッドパワーは森林計画に直接的対応していない点は見逃せない。
8)放射性物質含有木材を燃料とすることによって生じる放射性物質の再拡散、及び健康被害
「適切に対応されているものと認識」(F)、「そのような木材は燃やす対象になっていない」(E)と「ウ、心配していない」。「対策を申し入れている」(A)「放射能測定をおこない公表するよう申し入れ」(C)ていると放射能汚染を懸念する回答がある。
9)焼却灰(主灰・飛灰)の処理の問題(「有価物」として扱う等)
「法に基づき適切に処理される」(F)(E)ので「ウ、心配していない」が、一部の議員からは「焼却灰の再生利用では、放射性セシウム検査を行い県の環境基準に基づいて行う。焼却灰の表面線量率を測定したり、敷地境界における空中線量率の測定を定期的に実施する」(B)と、信州ウッドパワー㈱の見解が回答されている。無選択では「((8)と同じ)(対策を申し入れている)(A)、「放射能測定をおこない公表するように会社側に求めています」(C)とある。放射能濃度の測定については触れられていない。
10)建設着工前に東御市民が十分に理解できるような説明および意見聴取がされたか
「ア、された」「地元区への説明は2回行われている」(F)は回覧と誤認。「地元区への説明や近隣区長への情報提供」(B)は説明不足を認識していない。
11)「説明会開催を求める」署名が1753筆(市長提出分:2019.10.15集計)集まったにもかかわらず、東御市が市民説明会を開催しなかったことについて
「ア、妥当」との回答では「地元区の説明会がなされてきた」(F)は説明不足を認識していない。「関係省庁のヒヤリング」や「環境をよくする条例に関する協定」(B)は市民に対する説明のことではない。「市民会議の皆さんや特に地元の皆さんが納得していただいていないとすれば」(E)「イ、開催すべきだった」とは適切な回答である。
12)今後、稼働する前に市民説明会を開催する必要はあると思いますか
「これまで地元区を中心とする説明会を行ってきました」(B)は説明不足の認識がない。「イ、必要である」とした「一番の地元の皆さんがほとんど理解などされていないとしたらする必要もあるかと考えますが」、「3月8日の説明会で分かっていただいたとすればよいのではありませんか」(E)は、「必要ない」「必要である」の選択に揺らぎが見られる。
13)「特定事業または開発事業 協定書」の内容についてどのように思いますか
「特別問題はない」(B)が、「ア、十分である」でも「定めにないことは両者で協議していただくことになっているから。市民の方や環境のモニタリングなど課題がでたら協議されるものと解釈します」(E)は「十分である」「不十分である」の選択に揺らぎが見られる。
14)市民・東御市・事業者の三者による「環境保全のための協定」が必要であると思うか
「イ、必要である」「市民は市長とすること」(F)とは二者協定で誤認がある。同じ「イ、必要である」が「市民というと広くなる。関係している地元区ということでよいと思う」(B)と「環境保全のための協定」の必要性を回答している。「現在両者で行なわれているので、課題が出た時はすぐ協議してもらう」(E)は環境をよくする条例協定書(二者協定)で十分であるとの回答である。
15)「東御市環境をよくする条例」(平成16年度制定)は火力発電所の建設を想定した
条例であると思いますか
「ア、思う」は「すべてを対象としている」(F)に代表される。「再生可能エネルギー電気事業はH26年に加えられたが(別表2)(4条関係)、当時問題が出始めた太陽光に関して対応した。今後対応していくべきもの」(A)は重視したい回答である。(B)の「イ、思わない」は14)「環境保全のための協定」に整合し、13)と不整合である。
16)バイオマス発電事業が満たすべき要件を提言した「バイオマス発電に関する共同宣言」をご存じですか
「知っている」3回答、「知らない」3回答と同数である。共同宣言の「提言6 汚染物質の拡散を伴わないこと」「提言7 環境影響評価が実施され、地域住民への十分な説明の上での合意を取得していること」等の認識を確認したい。
(3)質問に対する回答・各議員について
1)A氏
8設問で選択肢を選んでいない。「検証が必要」「対策を申し入れている」は「心配」の、「基準に則っている」「森林計画に基づいた」は「心配していない」の表明と取れないこともない。他方、はっきり「多少心配」「心配していない」を選択している設問もあり、意図的に無選択としていると判断した。
「(2)PM2.5放出による健康被害」について「イ、多様心配」で「PM2.5に関して、県内12か所(直近に上田局、小諸局があるがPM2.5は観測されていない)で常時監視している 環境基準(長期、短期〈1年平均値が15 μg/m3以下であり、かつ、1日平均値が35 μg/m3以下であること〉)と、注意喚起基準はあるが、局所的(信州ウッドパワー㈱付近)な大気汚染評価は難しい」との回答を重視したい。
また「(15)環境をよくする条例は火力発電所を想定しているか」について、「再生可能エネルギー電気事業はH26年に加えられたが(別表2)(4条関係)、当時問題が出始めた太陽光に関して対応した。今後対応していくべきもの」との回答を確認しておきたい。
2)B氏
「東御市環境をよくする条例で協定を締結しているので」「心配していない」が、「(6)発電所と木質チップ工場の騒音」についてのみ「エ、わからない」と揺らぎが見られる。「(2)バグフィルター」「(5)渇水」「(9)焼却灰の処理」は聞き取りの結果であろう。バグフィルターはPM2.5を完全には集じんできないこと、焼却灰の表面線量率の測定では放射能濃度を測定できないことについては見識がない。東御市環境をよくする条例の協定書(二者協定)を「ア、十分である」「特別問題はない」としながら、三者による「環境保全のための協定」が市民(「関係している地元区」)として「イ、必要である」としている点、さらに「(15)環境をよくする条例は火力発電所想定している条例」と「イ、思わない」の回答には揺らぎが見られる。
3)C氏
8設問で選択肢を選んでいない。「検証が必要」「環境基準を守ることが必要」は「心配」の、「区域森林計画にもとづき県の許可による計画的伐採」は「心配していない」の表明と取れないこともない。他方、はっきり「多少心配」「心配していない」を選択している設問もあり、意図的に無選択としていると判断した。
4)D氏
回答にまったく揺らぎはみられない。また自由意見もまったくない。
5)E氏
木質バイオマス発電は「はじめてのこと」で「予想の範囲では何ともいいようがない」ため「イ、多少心配」(1)「ウ、心配していない」((2)PM2.5、(5)渇水、(7)自然災害、(8)放射性物質の拡散、(9)焼却灰の処理)、「エ、わからない」((3)千曲川汚染、(4)水温・気温の上昇、(6)騒音)と揺らぎが見える。「万全な対策がとられている」「人体に有害な物質を含むものは使用しない」等という説明があり、「モニタリングなどたくさん行ってほしい」と全般的に懸念の表明がされている。
市民に対して「イ、説明されたとは言えない」(10)ので市民説明会は「イ、開催すべきだった」(11)し「イ、必要である」(12)と説明不足を認めている。「環境保全のための協定」は環境をよくする条例協定で「ア、十分である」(13)ので「ア、必要ない」(14)としているが「実際に稼働してみて懸念されていることが発生したらしっかり検討しなくてはいけない」と揺らぎが見える。
6)F氏
環境をよくする条例協定書により「心配していない」のであるが、「(4)排熱による水温・気温の上昇」と「(6)発電所と木質チップ工場の騒音について」に「エ、わからない」を選択して揺らぎが見える。また「(12)開発事業協定書」で「十分である」としているが、「市民は市長とすること」と二者協定として「(13)環境保全のための協定」は必要としている。(12)と(13)の回答に揺らぎが見える。しかも「(15)東御市の環境をよくする条例」は火力発発電所の建設を想定した条例と「思う」としており(14)と揺らぎが見える。
(4)総括
1)「私たちの認識・疑問」への回答について
「私たちの認識・疑問」(1)から(9)への回答は「ウ、心配していない」が多数である。議員総会等で企業と売却に向けて協議を進めているなどの説明を受けてきたが、木質バイオマス火力発電所について統一した回答が見られない。環境をよくする条例で協定を締結しているので、万全を期して事業にあたってほしいというところであろう。
市長立候補予定者花岡利夫氏は「木質バイオマス発電事業は、経済産業省で認可された事業で」「各関係法令及び規準条例並びに協定を遵守しながら事業展開する」と回答しているが、私たちは環境対策面での懸念を払拭できない。市民説明会の開催を求める。
2)市民説明会について
「市民説明会」(10)について開催「ア、された」「イ、されたとは言えない」及び「開催しなかったこと」(11)は「ア、妥当」「イ、開催すべきだった」が同数である。さらに「今後、市民説明会を開催」(12)は無選択の自由意見「住民説明会が必要」を勘案すると「ア、必要ない」「イ、必要である」も同数であることから、改めて市民説明会の開催を求める。
3)地元について
商工労政係は羽毛山工業団地の地積を地元として説明したことから、議員は、地元は羽毛山区と認識している。火力発電所の環境負荷を考えた時、地元は羽毛山区だけではない。地元は少なくとも八重原地区、田中地区等に及ぶと考える。
4)「環境をよくする条例」と「環境保全のための協定」と「火力発電所を想定」について
F議員は、開発事業協定は「ア、十分である」と評価、環境をよくする条例は火力発電所を含む「すべてを対象」としながらも、環境保全のための協定が「イ、必要である」と揺らいでいる。B議員も開発事業協定は「ア、十分である」としながら、環境をよくする条例は火力発電所を想定していると「イ思わない」と回答、環境保全のための協定は「イ、必要である」と(13)と(14)(15)の間の回答に揺らぎがある。D議員に揺らぎはない。E議員は「ア、十分である」「ア、必要ない」と揺らぎはないが課題は二者で「協議される」としている。A議員とC議員は、逆に「イ、不十分である」「イ、必要である」と揺らぎはない。
「特定事業または開発事業協定書」(13)「環境保全のための協定」(14)「環境をよくする条例は火力発電所を想定」(15)の回答に揺らぎが見えることは、木質バイオマス火力発電所の環境対策の認識不足である。「今後対応していくべきもの」(A)という認識を求めたい。
おわりに
私たちは今回の公開質問から、以下について提案したい。
①東御市及び信州ウッドパワー㈱は市民説明会を開催すること
②環境対策係は木質バイオマス発電について、市議会議員に統一した説明を行うこと
③東御市環境をよくする条例は火力発電所を想定していないため、環境対策係は特定事業届出及び開発事業届出の不備を検討すること
④東御市議会は「東御市環境をよくする条例」を火力発電所を想定して改正すること
私たちは、今回の公開質問状において、木質バイオマス火力発電所が招来するであろう「想定外の事態」の「予見可能性」を指摘してきた。私たちは、今後も火力発電所の環境負荷が及ぶ関係地元地区市民とともに木質バイオマス火力発電所を誘致した自治体東御市及び信州ウッドパワー㈱に「絶対的な安全性の確保」について説明を求めたい。
以 上
東御市長候補者と東御市議会議員への公開質問状と回答
3月11日、チェック市民会議は、東御市長候補者と全東御市議会議員に向けて
木質バイオマス発電事業に関する公開質問状を提出しました。
お忙しい中、回答をお寄せ下さった議員と市長候補の皆様、大変ありがとうご
ざいました。
以下、その質問項目と回答です。
なお、公開質問状を市長候補者と議員の皆様にお願いするにあたって、私たち
の思いを伝える「依頼文」も送付しました。3月21日のブログにアップしてあり
ますので、合わせてお読み下さい。
公開質問状の質問項目
お名前( )
◆お尋ねしたいこと◆
・(1)~(16)について、選択肢の記号(1つのみ)に〇印をお付けください。 ・適切な選択肢がないなどの場合は、恐れ入りますが、〈自由意見〉欄をご活用ください。 |
1.〈稼働により生じる可能性がある問題点について・その1〉
以下(1)~(7)についてどのようにお考えですか。
(1)火事、爆発等の事故による被害
【私たちの認識・疑問】
24時間燃料材を燃やし続ける火力発電所は羽毛山の住宅地のすぐ近くに建てられている。火事や爆発が非常に心配である。火事、爆発等の事故が起こらないよう万全の対策が取られているのか、大地震発生時の対策も含めて、万が一の際の対策はどうなっているのか。防災・災害時対策は充分か。実際、山形県上山市にあるバイオマス発電所では、2019年2月爆発事故が起きており、直径3m、厚さ1cmの金属部品が吹き飛び、民家の壁を突き破り、けが人が出ている(「河北新報2019.2.7.」)。
ア、大いに心配 イ、多少心配 ウ、心配していない エ、わからない
〈自由意見〉
|
(2)ダイオキシン等有害物質を含有するPM2.5*(微小粒子状物質)放出による健康 被害
*2.5μm(髪の毛の太さの1/30程度)以下の小さな粒子
【私たちの認識・疑問】
- 無垢の木であっても燃やされる過程でダイオキシンが合成される〈1〉。
- たとえ、高性能のバグフィルターを使用しても、そもそもの仕組みにより、5など微小な粒子は、それを透過し大気中に放出される〈2〉。
- 5には、ダイオキシンや放射性物質などの有害物質が付着する。
- 5は肺の奥深く入り込み、呼吸器系だけでなく循環器系への影響も懸念される〈3〉。
- 羽毛山区をはじめとする周辺地域住民の健康に与える影響が特に深刻である。また、保育園・小中学校に通う子どもたちの健康に与える影響についても真剣に考えるべきである。さらに言えば、5の性質上、きわめて広範囲の住民の健康に関わる問題であることを認識すべきである〈4〉。
ア、大いに心配 イ、多少心配 ウ、心配していない エ、わからない
〈自由意見〉
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〈2〉経産省HP 産業技術環境局監修『公害防止の技術と法規』参照
〈4〉火力発電所のすぐ真下、ほんの200m先には人々が暮らす家や田畑が広がり、1km圏内に子どもたちの通う保育園があり、田中駅があり商店街がある。2km圏内には東御市の市街地の大半があり、八重原の住宅地や田畑や別荘地、隣の上田市まで含まれる。
(3)各種薬品を含む排水・排液による千曲川汚染・生態系破壊
【私たちの認識・疑問】
①発電設備にはさまざまな薬品が注入される。薬品注入時および強アルカリ性排水・排液の中和処理時のトラブルに備えた対策(配水池を設置する等)は万全なのか。
②また、微量であっても、有害物質によって、羽毛山区をはじめとする周辺地域の生活環境および千曲川流域広範囲の生態系が徐々に壊れていくことも懸念される。
ア、大いに心配 イ、多少心配 ウ、心配していない エ、わからない
〈自由意見〉
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(4)高温排水・排液や空冷装置の排熱による水温・気温の上昇
【私たちの認識・疑問】
①空冷装置(24時間340日間稼働)の排熱によって羽毛山区をはじめとする周辺地域の気温上昇(特に真夏の昼・夜)が懸念される。排熱が羽毛山区をはじめとする周辺地域の生活環境に与える影響について検討はなされているか。
②高温の排水・排液によって河川等の温度が徐々に上昇して生態系等に悪影響を与えることも懸念される。
ア、大いに心配 イ、多少心配 ウ、心配していない エ、わからない
〈自由意見〉
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(5)設備へ大量の水を供給するために水資源に及ぼす影響(渇水など)
【私たちの認識】
2019年6月の定例議会の答弁によると、木質チップ工場と発電所では、地下水は使用せず上水道を使用すること、使用する上水道量は現在の市の供給量を前提にすれば十分にまかなえる量だとされている。しかし、歴史的に水への関心が高い八重原地区では、それでも尚、水不足になった時には困るのではないかという心配の声がある。
ア、大いに心配 イ、多少心配 ウ、心配していない エ、わからない
〈自由意見〉
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(6)発電所と木質チップ工場の稼働時に発生する騒音について
【私たちの認識・疑問】
24時間稼働の火力発電所からは、ボイラーの音や空冷式冷却システムの風切音が発生する。それらの騒音に付け加え、バグフィルターの灰の払落し(この作業をしっかりやらないとバグフィルターの損傷や爆発が起こる)の際には、かなりの音が近隣に響き渡ると言われている。特に空冷式冷却システムは、巨大なラジエターであるので、水冷式以上の騒音が予想される。火力発電所の騒音の他、木質チップ工場からはチップ製造時にかなりの騒音が発生すると思われる。
木質チップ工場の騒音に関しては事業者からデータが提出されているが、肝心の火力発電所から発生する騒音に関してはデータがない。地域の類型、及び時間の区分(昼間と夜間)ごとに「騒音に関わる環境基準」があるが、火力発電所及び木質チップ工場から発生する騒音がその基準を遵守できるのか疑問に思っている。
ア、大いに心配 イ、多少心配 ウ、心配していない エ、わからない
〈自由意見〉
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(7)不適切な森林伐採により自然災害(台風時の土砂崩れ等)が発生しやすい状況となること
【私たちの認識・疑問】
①過度の列状間伐や皆伐は土砂崩れの原因になりうる。不適切な森林伐採がなされないように、どのような対策がとられているのか。
②燃料として搬入される材は、SGEC森林認証を受けている森林からだけなのか。バイオマス発電燃料とSGEC森林認証との関係が曖昧である。
ア、大いに心配 イ、多少心配 ウ、心配していない エ、わからない
〈自由意見〉
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2.〈稼働により生じる可能性がある問題点について・その2〉
塩尻市の木質バイオマス発電所は、木材の放射能濃度(セシウム134とセシウム137の合計値)が、40Bq/kgを超える可能性がある地域の木材を使用しないことを条件としています(千曲川以東の東信地域は、その可能性があるとして、長野県が薪・木炭の使用について注意喚起をしている。また、東信地域に隣接する他県には、原発事故時に放射能汚染プルームの大きな影響を受けた地域がある)。
また、塩尻市の木質バイオマス発電所は、全てのトラックの表面線量率を測定することによって、不十分ながらも、放射能汚染地域の木材が使用されないような対策がとられることになっています。私たちは、放射能による汚染材がバイオマス燃料とならない対策がなされることが木質バイオマス発電の標準だと考えます。
以下(8)(9)について、どのようにお考えですか。
(8)放射性物質含有木材を燃料とすることによって生じる放射性物質の再拡散および健康被害
【私たちの認識・疑問】
①放射性物質含有木材を燃やした焼却灰(主灰・飛灰)の放射能濃度は100~200倍になる。
②飛灰中の放射性物質は、PM2.5に付着するなどして、大気中に放出される。呼吸によりPM2.5を吸い込むと肺の奥深くまで入り込み、呼吸器系だけでなく循環器系へも影響を与えることが懸念される。体内に入った放射性物質は、体外に排出されるまでの間、人体内部から放射線を照射し、人体組織を攻撃し続ける(内部被ばく)。
③主灰とフィルターに付着した飛灰にも放射性物質(100~200倍に濃縮)が含まれる。この焼却灰を適切に処理しないと放射性物質を拡散することになる。
④事業体のトレーサビリティシステムはいつ開発できるのか。東信地域以外から木材が運び込まれることを防止できるトレーサビリティシステムは実現可能なのか。
ア、大いに心配 イ、多少心配 ウ、心配していない エ、わからない
〈自由意見〉
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(9)焼却灰(主灰・飛灰)の処理の問題(「有価物」として扱う等)
【私たちの認識・疑問】
①事業体は焼却灰を産業廃棄物にせず、「有価物」とするとしている。具体的にはどのように処理するのか。
②現在でも法的には100Bq/kgを超えるものは放射性物質である。焼却灰は正確に放射能濃度を測定し、産業廃棄物として適正に処理すべきだと私たちは考えている。また、放射能濃度測定は信頼できる第三者機関が行うのが適正である。測定値の公表についての取り決めも必要である。また、焼却灰を扱う作業者の安全対策も万全にすべきである。さらに、フィルターの清掃方法等も明らかにすべきである(放射性物質を含む焼却灰が付着した機器や道具を水で洗うと水溶性セシウムが排水に混入して流出するなどの問題が生じる可能性がある)。
ア、大いに心配 イ、多少心配 ウ、心配していない エ、わからない
〈自由意見〉
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3.〈市民の理解について〉
国の木質バイオマス発電・事業計画策定ガイドラインには、計画初期段階から地域住民の意見を聞くなど双方向的なコミュニケーションを図ること、法的には環境アセスメント手続きが必要のない規模の事業においても事業の概要や環境・景観への影響等について、地域住民の十分な理解を得るための説明会の開催が必要であることなどが記載されています。以下について、どのようにお考えですか。
(10)建設着工前に東御市民が十分に理解できるような説明および意見聴取がされたと思いますか。
ア、された イ、されたとは言えない *〈自由意見〉欄はございません。
↓
★ア、を選択された方は、恐れ入りますが、その理由等を下記にご記入ください。
〔理由等〕
(11)「説明会開催を求める」署名が1753筆(市長提出分:2019.10.15.集計)集まったにもかかわらず、東御市が市民説明会を開催しなかったことについて。
ア、妥当である イ、開催すべきだった
〈自由意見〉
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(12)今後、稼働する前に市民説明会を開催する必要はあると思いますか。
ア、必要ない イ、必要である
〈自由意見〉
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4.〈環境保全のための協定について〉
塩尻市の木質バイオマス発電事業では、専門的な内容が記載された「環境保全協定書」が結ばれています。一方、平成30年11月に東御市と事業体が締結した「特定事業または開発事業 協定書」は、市民の了解なく、ごく一般的な内容しか記載されていません。以下について、どのようにお考えですか。
(13)「特定事業または開発事業 協定書」の内容についてどのように思いますか。
ア、十分である イ、不十分である ウ、わからない
〈自由意見〉
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(14)市民・東御市・事業者の三者による「環境保全のための協定」が必要であると思いますか。
ア、必要ない イ、必要である ウ、わからない
〈自由意見〉
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(15)「東御市環境をよくする条例」(平成16年度制定)は火力発電所の建設を想定した条例であると思いますか。
ア、思う イ、思わない
(16)2019(令和元)年7月、気候変動や森林保全に取り組んできた環境NGOや団体が、真に持続可能なバイオマス発電の推進を期待して、バイオマス発電事業が満たすべき要件を提言したこと(「バイオマス発電に関する共同提言」)をご存じですか。
ア、知っている イ、知らない
【寄せられた回答】
【公開質問状市議会議員 質問別回答】 定数16名 回答者6名 (回答率37.5%) (20.03.28) | ||||
回答議員:阿部貴代枝(太陽の会) 横山好範(東翔の会) 窪田俊介(日本共産党) 平林千秋(日本共産党) 佐藤千枝(東翔の会) 柳沢旨賢(東翔の会) 敬称略(注:市長立候補予定者は自由意見と無回答であるため市議会議員の質問別回答として集計した) |
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質問 | ア、大いに心配 | イ、多少心配 | ウ、心配していない | エ、わからない | 無選択 |
(1)火事、爆発等の事故による被害 | 1 | 3 | 2 | ||
(イ E)はじめてのことで心配がないといえばうそになります。今回は、万全な対策がとられている、と解釈しています。 (ウ F)協定書に基づき対応なされるものと認識している (ウ B)心配はしていない。東御市環境をよくする条例で協定を締結しているので、万全を期して事業にあたっていただきたい。 (ウ D) (ム A)検証が必要 (ム C)防災対策についての検証が必要です |
(2)PM2.5放出による健康被害 | 1 | 4 | 1 | ||
(イ A)PM2.5に関して、県内12か所で常時監視している 環境基準(長期、短期)注意喚起基準はあるが、局所的な大気汚染評価は難しい。 (ウ E)バグフィルターをたくさん設置ということなので。環境基準よりはるかに抑制が可能なバグフィルターだと考えています。 (ウ F)認定にあたって大気汚染防止法に基づく手続きがされている (ウ B)高性能のバグフィルターを168基つけ、排出ガスは環境基準よりはるかに抑制が可能としています。 (ウ D) (ム C)環境基準を守ることが必要です |
(3)排水・排液による千曲川汚染 | 5 | 1 | |||
(ウ F)河川管理者の了解を得ている (ウ C)排水を定期的に測定し公表することが求められます (ウ B)冷却水の水質維持のため薬剤の投入はあるが、川管理の上田建設事務所及び県環境課も承知している (ウ A) (ウ D) (エ E)人体に有害な物質を含むものは使用しないと説明があったと記憶しています。しかし専門的なことは不明(私が理解不可)なので。モニタリングなどたくさん行ってほしいとは考えています。 |
(4)高温排水・排熱による水温・気温の上昇 | 2 | 2 | 2 | ||
(ウ B)法令及び東御市環境をよくする条例等を遵守し環境保全に努めるとしている。 (ウ D) (エ F)協定により責任は明確になっている (エ E)実際に可動してみて懸念されていることが発生したらしっかり検討しなくてはいけない。予想の範囲では何ともいいようがないです。 (ム A)今後検証がは必要 (ム C)影響についての検証が必要です |
質問 | ア、大いに心配 | イ、多少心配 | ウ、心配していない | エ、わからない | 無選択 |
(5)大量の水供給による水資源に及ぼす影響 | 6 | ||||
(ウ F)現状から余裕があり充分と思われる (ウ B)冷却に使用する水は水道水であり、その水量は1日あたり67㎥。水源水量の半分程度であり水道水が無くなることはない (ウ E)この点は心配ないと思います。 (ウ A) (ウ C)現在の規模なら問題はないと思います (ウ D) |
(6)発電所・チップ工場の騒音 | 1 | 3 | 2 | ||
(ウ D) (エ F)稼働にあたっては実態を見て協定に従って対応していただく (エ E) (エ B) (ム A)工場地域の基準に則っているはず (ム C)環境基準を守るということが必要です |
(7)不適切な森林伐採による自然災害 | 4 | 2 | |||
(ウ F)地域森林組合等と充分に調整されていると認識している (ウ E)森を守るための間伐材と説明をうけていますから。 (ウ B)再生可能エネルギーの固定買取制度(FIT)に基づき東信地域の間伐材など搬入が限定されている。森林の伐採から発電所に至る証明等書類の検査・審査が行なわれ、木材の出所が担保されるものである (ウ D) (ム A)森林計画に基づいた伐採が前提になっている (ム C)県の区域森林計画にもとづき県の許可による計画的伐採が予定されています。住民監視が必要です |
(8)放射性物質木材燃焼による健康被害 | 4 | 2 | |||
(ウ F)適切に対応されているものと認識している (ウ E)そのような木材は燃やす対象になっていないので。 (ウ B) (ウ D) (ム A)対策を申し入れている (ム C)放射能測定をおこない公表するよう会社に申し入れています別紙参照 |
(9)焼却灰(主灰・飛灰)の処理の問題 | 4 | 2 | |||
(ウ F)法に基づき適切に処理されるものと認識している (ウ E)法律に基づいて処理されるということなので。 (ウ B)焼却灰の再生利用では、放射性セシウム検査を行い県の環境基準に基づいて行う。焼却灰の表面線量率を測定したり、敷地境界における空中線量率の測定を定期的に実施する (ウ D) (ム A)(8)と同じ (ム C)放射能測定をおこない公表するように会社側に求めています別紙参照 |
質問 | ア、された | イ、されたとは言えない | |||
(10)東御市民が理解できる説明 | 3 | 3 | |||
(ア F)地元区への説明は2回行われていると承知している (ア B)地元区への説明や近隣区長への情報提供とともに、法令に基づく各種申請認可等必要な手続きは行ってもらっているため (ア D) イ<自由意見>欄なし(イ E)(イ A)(イ C) |
質問 | ア、された | イ、されたとは言えない | |||
(10)東御市民が理解できる説明 | 3 | 3 | |||
(ア F)地元区への説明は2回行われていると承知している (ア B)地元区への説明や近隣区長への情報提供とともに、法令に基づく各種申請認可等必要な手続きは行ってもらっているため (ア D) イ<自由意見>欄なし(イ E)(イ A)(イ C) |
質問 | ア、必要ない | イ、必要である | |||
(12)今後、稼働する前に市民説明会を開催 | 3 | 1 | 2 | ||
(ア B)これまで地元区を中心とした説明会を行ってきました。 (ア F) (ア D) (イ E)一番の地元の皆さんがほとんど理解などされていないとしたらする必要もあるかと考えますが、3月の8日の説明会で分かっていただいたとすればよいのではありませんか。 (ム A)住民説明が必要 (ム C)住民のみなさんにたいする説明が必要です |
質問 | ア、十分である | イ、不十分である | ウ、わからない | ||
(13)特定事業・開発事業協定書は十分か | 4 | 2 | |||
(ア E)定めにないことなどは両者で協議していただくことになっているから。市民の方や環境のモニタリングなど課題がでたらすぐ協議されるものと解釈します。 (ア B)特別問題はない (ア F) (ア D) (イ A) (イ C) |
質問 | ア、必要ない | イ、必要である | ウ、わからない | ||
(14)市民・東御市・事業者の協定が必要 | 2 | 4 | |||
(ア E)現在両者で行なわれているので、課題が出た時はすぐ協議してもらうということで。 (ア D) (イ F)市民は市長とすること (イ B)市民というと広くなる。関係している地元区ということでよいと思う (イ A) (イ C) |
質問 | ア、思う | イ、思わない | |||
(15)環境をよくする条例は火力発電所を想定 | 3 | 2 | 1 | ||
(ア F)すべてを対象としている (ア E) (ア D) (イ B) (イ C) (ム A)再生可能エネルギー電気事業はH26年に加えられたが(別表2)(4条関係)、当時問題が出始めた太陽光に関して対応した。今後対応していくべきもの |
質問 | ア、知っている | イ、知らない | |||
(16)バイオマス発電に関する共同提言 | 3 | 3 | |||
(ア F) (ア A) (ア C) (イ E) (イ B) (イ D) |
羽毛山地区の住民に、東御市が謝罪と説明に訪れる !
3月8日、東御市長と副市長2名と、関係部局の部長、課長、係長ら6名の市職員が、信州ウッドパワー(清水建設100%子会社)の木質バイオマス発電事業についての説明会を開きました。羽毛山区の住民63名が説明を受け、意見や疑問点を率直に出し合いました。
チェック市民会議は、これまで東御市に対し、東御市民への説明会を開催することを求める署名活動を行い、昨年10月段階で1700筆余の署名を提出し、市民説明会を要望してきましたが、これまで東御市は、「周知してきた、議会の承認を得ている」、「当該事業の実施主体でない市が説明会を開催することは考えていない」という回答をしてきました。
しかし、昨年12月、羽毛山地区の住民は、100戸中83戸の住民が「稼働に反対」であるという署名を集め、区の総意として「反対」であるという意思表示をしました。その結果、東御市はこれまでの回答を改め、「周知が不十分であった」ことを認め、木質バイオマス発電事業についての説明を羽毛山地区に対して行いました。
また、市長は、「難しい地域なのでうかつに説明はしないでほしい」等の発言をしましたが、「牽制するつもりで言った」「ウッドパワーに関してではなく、それ以前の話しである」「慎重に進めたいとの気持ちの一部分が切り取られ、このようなことに至ったことに対し深くお詫びする」という言葉で、謝罪しました。
集まった住民たちは、東御市に対し、様々な疑問点を述べました。以下、「説明会・議事録」より、住民が述べた主な疑問点をまとめてみました。
①一番最初になぜ区民にきちんと説明しなかったのか。黙っていてはいけないと声を上げている。本当に安全であるかが一番問題である。各戸回覧したというが、回覧でじっくり見る人などいない。飯山市で反対された施設をなぜ建設許可したのか。
②羽毛山区が賛成した形で、FITの認定を受けているのか。当時の区長の同意書をもらっていて、それが添付され認定を受けているというが、一人や二人にしか話をしないでハンコをもらっただけで許認可の手続きをしてよいのか。
③以前の話(むやみに話をせず)と言っているが、ウッドパワーとの契約の時に議員にも正式な申請が受理されるまでは公にしないでほしいと言っている議事録がある。現在の話である。危ないものだから黙っていろということか。
④一度だけ行われた14名しか出席していなかった区民説明会の中にいたが、そこでは「チップを作るだけ」と聞いた。それだけならと思ったが、回覧だけで話が進んだ。清水建設が木材を調達するというが、東信地域の木材だけで20年もつのか。
⑤説明会に出た人もチップを作るということしか聞いていないのに、火力発電を始めるという話しだ。火力発電という文書がぜんぜんない。冷却水に使う水道水は一日736㎥と書かれているが、羽毛山・牧が原地区で使う水量の1/10ということになる。こういう水をたくさん使い、木をたくさん使うことが国の推進している事業だとするなら、違うところに意図があるのではないか。
⑥燻蒸処理した木材は使用されない、焼却灰は基準に基づき放射能濃度を公表する等と書いてあるが、それは事業者が言っていることであり、信じられない。それに軽井沢町のきのこは基準が上回っているために何年も前から食べられない。これは東信一帯は放射能に汚染されていることを示す。それなのに各地から木材をかき集めて燃焼させるという。その状況で放射性物質が出ないと言えるのか。たとえ微量でもたくさんかき集めて、24時間365日、20年燃やすとなると、微量だ、基準を下回ると言っていても、蓄積していく。
⑦なぜこの説明会は羽毛山だけなのか。これは全国の問題だ。この時期、中国から黄砂が舞ってくる。北京からPM.2.5が、北九州、鳥取まで来る。つまり風に乗ればどこまでも飛んでいくということだ。大勢の人が被害を受ける。説明会は市民全体にしてほしい。
⑧騒音の問題もある。空冷式にしたというが、そうするとすごい音が出る。バグフィルターについた灰を落とす音やチップを砕く音は、かなり大きい。日夜同じ音を出し続けるのか。それに、山形の火力発電所は使用中に爆発したという。そういう事故や火事なども起こるのではないか。
⑨バグフィルターをしたから安全だというのは間違いだ。大きな粒子は取れるが、一番小さな危険な粒子は漂う、そして肺に届くと、信大の教授から聞いた。
⑩羽毛山にはクリーンセンターの煙害もある。それをなくそうとしているのに、また煙を出すのか。青空が、星が見えない。昔は天の川が見えたのに、今は見えない。空気を汚してはダメ。水もそう。元には戻らなくなる。
⑪ウッドパワーから出た文書に、「復興状況や社会状況に配慮し」とあるが、なぜ復興状況や社会状況がウッドパワーに関係があるのか。それをウッドパワーが言うのはおかしい。
羽毛山地区には、「火力発電所・反対」の看板が立ち始めています。東部クリーンセンターの煙に悩まされてきた羽毛山地区、今度はそれよりも大規模な火力発電所が地区内に立つというのです。それも、地域の合意形成もなされず、着々と進められた事業計画と発電所建設。このまま試運転まで始めるつもりなのでしょうか。説明会では「反対!」「白紙撤回!」という声も飛びかいました。チェック市民会議は、羽毛山地区の住民の立場に寄り添いながら、行政と事業者の行動をチェックし続けたいと思います。